新型コロナウイルスの影響で来年1月の成人式の開催の可否を巡り、奄美群島内の市町村が相次いで対応方針を決めている。17日までに奄美市など6市町村が中止を決定。徳之島3町を含む4町が延期を決めた。喜界町は2日の実施を取りやめ、延期か中止で検討中。与論町は可否や延期を含めて近日中に判断する。
群島内で最も多い新成人473人(名瀬407人、笠利59人、住用10人)が対象の奄美市では、当初は1月3日に成人式を予定していたが、全国的な感染者の増加などを踏まえて14日に中止を決定した。人数制限や分散入場、規模縮小など対策を施した上での開催を模索してきたが「多数の人が一堂に集まる機会は回避すべき」と断念した。
他に中止を決めたのは、大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町、和泊町の5町村。209人が対象の瀬戸内町教育委員会の担当者は「(今年の)参加者の8~9割が島外から帰省する。(式の会場が)感染を拡大させる場所になる可能性なども拭いきれず、感染対策は難しい」と中止の理由を話し、航空チケットや着物予約のキャンセル、政府の観光支援事業「GoToトラベル」の全国一時停止などを要因に挙げる自治体もあった。
中止を決めた市町村では代替策として、記念品贈呈などをそれぞれで行う。自治体によっては、首長や恩師による祝福メッセージのオンライン配信、記念冊子やDVD制作なども検討している。
一方、延期を決めたのは、徳之島町、天城町、伊仙町、知名町の4町。徳之島3町は感染者発生を受けて足並みをそろえ、1月2日から5月2日に先送りを決めた。知名町は1月2日開催を中止して延期とし、新たな開催時期は帰省しやすい時期や情勢を勘案しながら今後判断。各町とも「新型コロナの感染状況によっては再延期や中止もあり得る」として理解を求めている。
この他、喜界町は1月2日の式の中止を決め、延期か中止の方向で検討中(決定時期未定)。与論町は17日の保護者会との協議などを踏まえて近日中に判断を下すという。
なお県の発表(14日現在)によると、奄美群島内在住の新成人者数は558人。昨年の成人式には在住者や出身者を含む1046人が出席した。