在宅訪問の不安解消へ

野崎義弘さん(左から2番目)の指導を受けながら個人防護具の着脱を行う参加者

専門家講師に 防護具着脱方、実践で習得
介護サービス継続支援チーム

 奄美大島の介護事業所や法人の垣根を越えて、新型コロナウイルスへの対応を行うために先月発足した「奄美大島地域介護サービス提供継続支援チーム」(長谷川大代表)は19日、2回目の研修会を開いた。講習では訪問介護や看護に携わる事業所職員を対象として、マスクやガウンなどの個人防護具の適切な着脱方法を実践形式で説明。併せて感染対策として、訪問先で注意するべき事項などを伝えた。

 同日は訪問介護・看護に携わる事業所10カ所から管理者など10人が奄美病院研修センターで会場参加し、5事業所5人がオンラインで参加した。

 講師は奄美市住用国民健康保険診療所所長の野崎義弘さん(大島郡医師会コロナ対策担当)が務めた。野崎さんは手指の消毒やマスク着用など、基本的な感染対策やウイルスの潜伏期間や療養期間を説明。その上で訪問先の玄関からは汚染エリア(レッドゾーン)と想定して、玄関前で防護具を装着することが望ましいとした。個人防護具は主に▽マスク▽フェイスシールド▽手袋▽エプロン・ガウンで、状況に応じて組み合わせて使用。特に体液や嘔吐物、排せつ物を扱う場合はできる限り着用し、利用者ごとに消毒や交換する必要がある。

 また、参加者はそれらの正しい着用方法や外し方の手順を説明する解説動画を視聴後、「外すときはゆっくりと」「汚染されている表面は触らない」「手袋の汚染度が一番高い」「ガウンはかさばるが、ごみ箱に無理に押し込めない」などの野崎さんの指導を受けながら、持参した防護具の着脱を実践した。

 質疑応答では、参加者から防護服のごみの処理方法が尋ねられ、野崎さんは一般的には通常の可燃ごみでかまわないものの、提携する回収業者と相談が必要とした。また、手袋の安全性を過信せず、必要であれば二重にし、手袋を素手だと思ってアルコール消毒すると良いと話した。

 また、同チームが今月訪問看護・介護事業所14カ所を対象に行ったアンケート結果によると、利用者がコロナに感染した場合、引き続きサービスの提供をできるか否かの問いに「できない」「わからない」と答えた事業所が4カ所あり、理由として訪問介護員などの家族への感染を危惧する声や、人員不足があがった。

 長谷川代表は「アンケート結果を見ると、チーム発足前より改善しているものの、まだまだ不安を感じているという声も多い。職員が安心して働くことができる環境づくりを着実に進めていきたい」と話した。