町民に本の宅配サービス

図書の宅配サービスを開始した瀬戸内町立図書館

群島自治体に先駆けて実施
瀬戸内町

 瀬戸内町の町立図書館・郷土館がこのほど、奄美群島の自治体に先駆けて図書の無料宅配サービスを始めた。貸し出し冊数は1人4冊以内(本サイズで冊数の変更あり)を電話で受け付ける。同館の利用カードを持っている町民が対象。期間は来年3月16日まで。

 同館の年間貸し出し数は約5万冊(2019年度実績)。今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止による臨時休業が続いたため、前年から貸し出し数は大幅に落ち込んだという。

 そうした状況を受け、読書機会を増やそうと企画。予算は国の新型コロナ対策臨時交付金を活用し、自宅まで郵送で届ける。返却場所は同館やきょら島交流館、加計呂麻島のフェリー乗り場など。

 同町内は3島(加計呂麻、請、与路)の有人離島を抱え、町内の奄美大島側も古仁屋市街地から最遠地(西古見集落)まで約40㌔ある。

 宅配サービスは従来来館困難な高齢者や障がい者などが対象だが、試験的に全町民が利用できるよう拡充。また12月に入り町内感染報告が増加したことを受け、同館は今月19日から臨時休館に。来年1月の予定を前倒しした。

 群島内の公立図書館では、いまのところ職員の配置や搬送などの面から宅配は実現していない。重村一人館長は「離島を抱えており、来館が簡単ではない町民に読書機会を設けられたら」と話した。

 問い合わせは電話0997―72―3799。