初詣で高千穂神社を訪れ、手を合わせるマスク姿の参拝客たち(1日、午前0時10分ごろ)
新型コロナウイルスの感染拡大が収束をみせないまま2021年を迎えた元日、奄美市名瀬の高千穂神社(黒木正和宮司)にはマスク姿の家族連れや若者などが初詣に訪れた。例年のような混雑はなく、大晦日の深夜も数十人ほどが列に並んで参拝。「新型コロナウイルスが一日も早く収束しますように」と思いを込め、静かに手を合わせた。
今年の初詣はコロナ禍で参拝客が圧倒的に少なく、人出も3が日に分散。境内には消毒液が設置され、感染対策として神酒の振る舞いなどのイベントも中止。参拝時にはマスク着用やソーシャルディスタンスが自主的に取られるなど、例年と異なる雰囲気の初詣となった。
日付けが変わった午前0時、新年の到来を告げる初太鼓の音が鳴ると、参拝客らは列に並んでゆっくりと本殿に進んだ。密にならないように間隔を保ちながら、賽銭を箱に投げ入れ一礼。今年一年の家内安全や無病息災などを願った。
参拝後はそのまま一方通行となった順路を進んで授与所や露店に移動。授与所ではフェイスマスクをつけた巫女らがお札やお守りを販売。おみくじなどを楽しんだ若者4人も「今年はお参りだけ。新しい年を友達と迎えられてよかった」と話し、足早に神社を後にした。
徳之島町で酒造会社を営む60代女性は同名瀬在住の知人と2人で参拝。「昨年は(顧客の)飲食店もコロナ禍で大変で、焼酎の売り上げも随分落ち込んだ」と振り返り、願いは「もちろん新型コロナの収束。以前のような活気を一日も早く取り戻したい」と祈った。
同神社による新年の参拝客は例年の3割程度と大幅に減少。黒木宮司は「今年は大きな交通渋滞も見られず静寂な神社だった。神社は一年中開いているので都合のいい時間に訪れてほしい」と話した。