新鮮な魚介類が並んだ名瀬漁協の初セリ
新鮮な地場産野菜が並んだ名瀬中央青果の初セリ
奄美市の名瀬漁業協同組合(満林春男組合長)と名瀬中央青果㈱(森山直樹社長)で5日朝、初セリが行われた。新型コロナウイルスの影響で、例年のような開始式は行われなかったが、鐘の音とともにセリが始まると、荷さばき所には威勢のいい掛け声が響き、新年最初の取引が開始された。
同市名瀬港町の名瀬漁協では、午前6時半から開始式が行われ、乾杯で今年一年の豊漁と操業中の無事故を祈願した。満林組合長は、新型コロナの影響で取引が低調だった昨年を振り返り「5、6月が一番苦しかった。観光客が大幅に減ったことで、ホテルなどの取引が減少、取引価格にも影響した。今年は、新型コロナが一日も早く収束し、景気が回復して水産物の取引が活発になることで、漁業者が潤うことを願っている」などと話した。
荷さばき所にはイセエビやチビキ(ハマダイ)、ソデイカ、マンビキ(シイラ)、キハダマグロなど奄美近海産の魚介類が並び、仲買人は目当ての水産物を次々とセリ落としていった。
この日の水揚げ量は805㌔と昨年の7割程度にとどまったが、満林組合長は「年末からずっと天気が悪く、セリができるか心配したが、予想以上の水揚げがありホッとした。しけの中、漁に出た組合員に感謝したい」と話した。
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名瀬中央青果㈱は同市名瀬長浜町の市場で午前8時半からセリはじめ式を行った。森山社長は「昨年は新型コロナ影響もあり、大変苦しい一年となった。今年はコロナに負けないよう皆さんで協力して頑張っていきたい。生産者にはいいものを作ってもらい、新鮮な品物を食卓に届けられるようにしたい」と抱負を語った。
三本締めで今年一年の豊作と食の安心安全などを祈願。鐘の音を合図に初セリが始まった。市場には地元農家が出荷したキャベツやダイコン、ニンニク葉、ブロッコリー、シイタケ、キュウリ、ポンカンなどが並び、威勢のいい掛け声とともに次々とセリ落とされた。
この日の入荷量は野菜5598・6㌔(うち地場産は2987・1㌔)、果実803・1㌔(同444・6㌔)、花き500・5㌔(同122㌔)。野菜は、天候不良などにより昨年末の入荷が少なかったこともあり、前年初セリの約2・8倍の取引で地場産も前年比1・6倍の取引となった。果実、花きは昨年より入荷が少なく安値となった。