実践的なデザイン研修

実践的なデザイン研修

奄美市ICT人材育成センターであったデザイン力向上研修の最終日

5日間の講座終了 23日から「あまみ創業塾」
奄美大島雇用創造協

 奄美大島雇用創造協議会は「デザイン力向上研修」を奄美市名瀬の奄美市ICT人材育成センターで開いた。厚生労働省の地域雇用活性化推進事業の一環。受講対象は奄美大島内の求職・起業希望者で、デザインの基本や実践的なスキルを身に付け、就職や起業につなげることを目的とする。昨年12月から5回にわたって開講し、16人が受講した。

 講師は、フリーランスのクリエイターであり、日本各地でデザイナー養成講座などの講師を務める羽室吉隆さん。地域に特化したデザインの啓発、クリエイティブ人材育成を個人事業主として行っている。

 最終日の10日は、ほとんどの時間が有料ソフトを用いた広告デザイン制作の実践に充てられた。30分ほどの講義では、羽室さんがカーデザイナー時代に感じた例を交えながら、デザインのトレンド(流行)について解説。トレンドは時代と共に変化し、古いものも一定の年月が経過すると、再トレンドとして光が当たる。また、さらに古いなかで良いものは「文化」という価値として残されるという。どの地域にも必ず地域に根差した文化があり、それを「アップデート(更新)」や「リデザイン(再設計)」する視点を持つことが重要と説いた。その後羽室さんが広告のラフ画を解説しながら数枚提示し、実践に移行した。

 受講した山越織江さん(27)は「農作物のネット販売や、広告のチラシ制作に役立てたい。講義だけでなくアウトプットすることで、技能の吸収率が高まった」と話した。

 なお、23日から2月末まで9回にわたり、経済産業省の特定創業支援事業「あまみ創業塾」が開催される(奄美市や奄美大島商工会議所など4団体が主催)。創業するまでに必要な「経営・財務・人材育成・販路開拓」の知識を習得できるという。同研修で学んだスキルを起業に生かす機会として、受講者の参加を呼び掛けていた。単発参加も可能。対象者は創業希望者や創業後間もない人など。日程などの詳細や申し込みは奄美市ホームページ、問い合わせは電話0997・52・1127(奄美市商工情報課)まで。