天城町三京 県シイタケ栽培研修

「三京の自然を生かし普及を」。シイタケ駒打ちを体験する参加者たち=14日、天城町三京

「三京の自然生かし普及を」

 【徳之島】県の新規生産者育成・確保事業を活用した徳之島地区シイタケ栽培研修会(徳之島3町林業振興協議会主催)が15日、天城町三京の「森と海の藝術楽校」であった。小学生から高齢者まで幅広い世代の約35人が参加。森林資源を生かした原木栽培への駒打ち(植菌)作業などを体験し、1年後の収穫と試食会に胸を膨らませた。

 同島のほぼ中央部に位置し豊かな森林資源に抱かれた三京集落。一部ではシイタケ栽培の歴史も。県研修会は天城町では初。豊村祐一区長(65)が「三京の自然を生かしてすぐに到達できるシイタケ栽培の普及(復活)を」と発案。林業振興協の中野木材㈲(同町松原)を通じ県に要請。同区長が協力する芸術・環境共育・福祉など体験交流の場「森と海の藝術楽校」が会場となった。

 講師は県大島支庁林務水産課林務係の永野昌伸、同課徳之島駐在の猩々(しょうじょう)義英両技術専門員が担当。参加者たちは、原木と菌床栽培の違いや原木の種類、原木の葉枯らし・玉切り、伐採時期、植菌(接種)、日光が直接当たらず乾燥しにくい場所での栽培―など講話に耳を傾けた。そして三京地区のイタジイ原木計120本へのシイタケ菌の駒打ち作業に挑戦した。

 駒打ちした「ほだ木」は1人2本~10本ずつ各家庭に持ち帰って栽培に挑戦。4グループは会場近くの森林に設けた共同ほだ場で20本ずつ栽培。早ければ12月には生シイタケが発生・初収穫が可能性という。

 夫婦で参加していた武田正光さん(天城町議会議長)=浅間=は「生シイタケは焼いて食べると格別の味。特産品化のほか、自家消費分ぐらいは島内で賄えたらと思う」。豊村区長は「三京の自然の恵みを生かした栽培、収穫、食体験を通じた交流の場にもしたい」と目を輝かせていた。