海面にザトウクジラの尾びれなどが見えると参加者から大きな歓声が上がった
携帯カメラで写真撮影する参加者ら
「すごい、初めてクジラを見た」―。奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)は16日午後、奄美市名瀬の小湊子ども会らのメンバー36人を招待して小湊沖で「ホエールウォッチング体験」イベントを開いた。船の周囲に8頭の大きなザトウクジラが次々と姿を現し、参加した家族連れらは歓声を上げ、携帯カメラで撮影していた。
同協会などは、ザトウクジラが繁殖や子育てのため奄美大島周辺海域に来遊する1~3月に出現頭数、出現経路図等の調査を行っている。北寄りの強風が吹く冬場の時期には、小湊港を利用して調査などを行っていることから、才秀樹副会長から「何か小湊地域に還元をしよう」という提案があり、小湊子ども会らのメンバーを招待して「ホエールウォッチング体験」イベントを企画。幼児、小・中学生、保護者らが参加した。
参加者は、乗船前に検温し、救命胴衣を着用。才副会長がザトウクジラに関する説明をした後、2隻の船に分乗して午後1時に小湊港を出港、約20分後に観察ポイントに到着した。
この日、現場海域は波、うねりがあった。参加者は船の前部に座って携帯カメラを手にザトウクジラが現れるのを待った。ブロー(水面で呼吸する時の噴気)を目印にして海面を見ていると、海面に背中が見え、尾びれが見えた。約1時間半の間に次々と海面に姿を現した。ジャンプするように跳び出すブリーチのような動きも1回見ることができ、参加者から大きな歓声が上がった。
最上琳菜さん(小湊小学校2年)は「初めてホエールウォッチングに参加した。思ったよりクジラは大きかった」と話し、金城良晴くん(大川小学校1年)は「大きなクジラを見れてうれしかった」と感想を話した。