刈って搾って煮詰めて甘いご褒美

交代で協力してキビ汁に火を通す大和・大棚小の児童たち

大棚小児童と黒糖づくり 大和小3・4年生

 大和村の大和小学校(大江修校長)3・4年生児童16人は27日、同村大棚小学校(赤井清人校長)児童8人を招いて恒例授業「黒糖づくり」を大和小校庭で開いた。児童らは、育てたサトウキビを刈り入れ、キビ汁を搾って鍋で煮詰めるなど協力して作業。できあがった甘いご褒美においしい笑顔を並べた。

 黒糖づくりは、サトウキビの発祥地・同村により理解を深めようと今年で5年目。毎年、同村思勝の老人クラブ「オリーブの会」(元山安雄会長)のメンバーを講師に招き、黒糖づくりで指導を仰いでいる。

 今年は脱穀体験の交換授業として大棚小児童も参加し合同で作業。教員を含む約40人が、作業に汗を流した。

 児童らは、校庭内で昨年から育ててきたサトウキビを刈り入れ、圧搾機にかけてキビ汁を生成。大きな鍋に移した後は、焦がさないよう交代でかき混ぜ火を通した。

 約200本のサトウキビから抽出した約60㍑のキビ汁は少しづつ煮立ちトロッとした液体に濃縮。頃合いを見計らって石灰が投入されるとみるみると凝固し、甘い香りが辺りを覆った。

 大和小4年の福本旺太郎くんは「苦労して作った黒糖はおいしかった。作業は大変だったけど大勢人がいて楽しかった」と笑顔。大棚小6年の杉島大翔くんは「初めてでサトウキビの刈り取りが難しかったけど、甘い黒糖ができてよかった」と喜んだ。

 作業を指導した元山会長は「今では生産者がいなくなったが昔は大和村でもよくみかけた光景。先人の苦労を少しでも感じてもらえれば」。できた黒糖は約5㌔。地域にも配る予定だという。