新たに屋久島寄港することになったフェリーあけぼの(提供写真)
マルエーフェリーは27日、鹿児島航路(鹿児島―奄美群島―沖縄)の上り便で実施している屋久島寄港について、4月から金曜日に名瀬港を出港する同社所有の「フェリー波之上」と「フェリーあけぼの」の2隻体制で実施すると発表した。同社のフェリーが金曜日に同港を出港するのは1カ月に2回程度で、ドック入り期間などを除くと年内の運航回数は計13回。同社は「便数は減少することになるが、曜日を固定することで利便性を図り、利用者増につなげたい」としている。
同社は2018年3月から4日に1回、同航路を運航するフェリー波之上の上り便で屋久島寄港の試験運航を開始。昨年12月までに133回寄港し、計1296人の利用があった。
当初、20人以上の利用があった場合に寄港することにしていた運航条件を1人でも寄港するようにするなど利用促進を図っているが、新型コロナの影響で世界自然遺産登録が延期されたことなどもあり、利用は伸び悩んでいる。1回の寄港当たりの屋久島下船の平均乗船客数も18年度が約13人、19年が約9人、20年が約8人と減少傾向にある。
同社は屋久島寄港運航の変更について、「新型コロナ感染拡大による移動制限を受け、これまでのやり方を続けるのは難しいと判断した」などと説明。利用客からフェリー波之上に限定した寄港に対して、「運航スケジュールが分かりにくい」などの意見が多く寄せられたことや、これまでの運航実績で、金曜日の利用客が最も多かったことから、曜日を固定した運航を計画。現在、九州運輸局に認可申請しており、近く、運航計画についてホームページ上で公表する。
寄港条件は従来と変わらず、運航日の4日前までの予約が必要。1人でも予約があれば寄港する。運賃も現状通りで名瀬港―屋久島・宮之浦港間で8200円(2等)~2万500円(特等)(燃料油価格変動調整金は含まれない)。同島寄港時の鹿児島港入港予定時刻は通常より30分遅い午前9時となる。
同社は今回の運航計画の変更について「一寄港当たりの乗船客を増やし、持続可能な運航にしていきたい。新型コロナの感染防止対策を徹底しながら、奄美・屋久島をはじめとする地域社会に貢献するよう安全運航に努めたい」としている。