テイクアウト始める店舗も

休業を知らせる飲食店の張り紙。新型コロナの収束を願う言葉がつづられている

営業時短要請
屋仁川の飲食店「仕入れ先への影響心配」

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、県が営業時間短縮の要請を行った奄美市の飲食店では、ほとんどの店舗が午後9時以降の営業を自粛している。自粛から4日が経過した28日、同市の歓楽街「屋仁川通り」では、入り口に2月7日までの時間短縮や休業を知らせる張り紙を出す店舗が目立つ一方、テイクアウト(持ち帰り)やデリバリー(宅配)などのサービスを始める店舗も増えている。

 県は奄美市など県内5市の飲食店に対し、1月25日~2月7日までの2週間、午後9時までに閉店するよう協力を要請、応じた店舗には1日当たり4万円、計56万円の協力金が支払われる。

 屋仁川で飲食店を経営する男性店主(39)は、県の要請を受け午後9時以降の自粛を決めた一方、飲食物のテイクアウトサービスを始めた。1日の注文は多くて3件ほど。男性は「正直、それほど売り上げアップにつながっているとは言えない」と話す一方、テイクアウトを続ける理由について、「県の協力金の対象とならない仕入れ先の小売店などに、少しでもお金が回るようにするため、限られた時間内で営業努力は続けたい」と話す。

 ただ、店内で酒類が提供できるのは午後8時までとなっていることもあり、「飲み物の売り上げはかなり減っている。テイクアウトするわけにもいかないので、なかなか難しい。酒屋さんは大変かもしれない」と、市内の酒類販売店の経営を心配していた。

 昨年4月の県の営業自粛要請時もテイクアウトや宅配などを行ったという飲食店経営の男性(35)は「午後9時までの営業だけでは、人件費などを考えると赤字。休業も考えたが、休んでしまうと仕入れ先にも影響する。今はすべての業界が大変な時。みんなで助け合って何とかこの危機を乗り越えられたら」と話した。