オオハクチョウ2羽優美に羽休める

伊仙町の通称「カムィヤキの森」沿いの湖沼に優美に羽を休めていたオオハクチョウ=1月31日午後3時半ごろ、同町検福

カムィヤキの森の湖沼 伊仙町検福

 【徳之島】徳之島には飛来の確認報告がないと思われるオオハクチョウ(カモ科カモ目)が2羽、伊仙町検福の通称・カムィヤキの森に面した湖沼で1月31日午後、優美に羽を休めているのが確認された。頭部が薄い茶褐色を帯びており、同月2日、奄美市住用町のマングローブパークで確認された成鳥2羽と同一個体なのかは不明だ。

 家族でヒカンザクラの花見をして車で移動中だった町内の義永有香さん(39)らが車窓から目撃。「白く大きくて首が長く、絵本に出てくるような美しい白鳥の姿だった」と感動を語った。自然写真家や自然保護活動家らに情報が走った。

 全長約140㌢。渡り鳥類で最大のオオハクチョウは、ひときわ目を引く存在だ。主な繁殖地はシベリアで、氷点下に達しエサになる水草類が凍り付く9月ごろから温暖な地域で越冬するとされる。

 徳之島では、コハクチョウなどの確認例はあるが、オオハクチョウの報告例はない。野鳥に詳しい自然写真家山田文彦さん(54)=天城町=は、望遠レンズで追いながら「(Iターンして)11年余で初めて。今年は本土の越冬地が寒く採餌が難しいためか、ツクシガモやハイイロガンなどを含めいろんな冬鳥たちが南に下がっているようだ」と推測する。