パラリンピック銀メダリストをオンライン講師にあった「心のバリアフリー」ワークショップ=2日、天城町兼久小
【徳之島】バンクーバー2010パラリンピック・アイスホッケー銀メダリストの上原大祐氏(39)=長野県出身=による「心のバリアフリー」に関する講話とワークショップが2日、天城町兼久小(3・4年生16人)と徳之島町井之川中(全生徒24人)を対象にオンラインであった。「課題を共有。思いやり工夫する共生社会」の大切さ、パラスポーツの楽しさを伝えた。
天城、徳之島両町が主催。パラリンピアンの講話・ワークショップを通じ、障がい者や障がい者スポーツに理解を深め「だれもが住みやすいまちづくり」、共生協働の社会の実現、共生社会ホストタウン登録に向けて住民の意識向上と加速化。ほか、東京オリパラの機運醸成などが目的。
上原氏は生まれながら足が不自由で、19歳の時にアイススレッジホッケーと出会い、努力を重ねてパラリンピック日本代表に。06年トリノ5位(日本人選手最多ゴール)、10年バンクーバー2位(銀)など活躍。現在はNPO法人D-SHiPS32代表理事、一般社団法人障害攻略課代表理事など務めバリアフリーやパラスポーツを推進している。
兼久小3・4年生ら対象の講話で上原氏は、自らの活躍で勝利したバンクーバー準決勝(カナダ戦)の動画も交え、「身体の弱みではなく超人的に(残存機能)の強みを発揮する」パラスポーツの楽しさを紹介。心のバリアフリーは「障がいがあってもなくても、お互いを思いやり、助け合う心が大事」。
次ぐワークショップで、児童たちはパラリンピック選手になりきって、目を閉じて紙ののり付けや、片腕だけで紙をつづるホチキスの操作に挑戦。障がい者の立場に立った工夫などアイデアも発表し合った。
上原さんは「困った課題などを共有し合うのが共生社会。困ったことを隣の人や友だちに話して仲間をつくることが夢を叶え、世の中を変える第一歩に」とも説いた。
児童を代表、芝田侑生(ゆうせい)くん(4年生)が「障がいを持った人になりきってのホチキスやのり付け(の難しさ)が心に残った。障がいを持った人に声をかけて手助けしたい」とお礼を述べていた。