大島紬ストラップ 卒業生全員にプレゼント

牧理事長からストラップを受け取る生徒代表の箕輪さん(大島高校校長室)

奄美群島の高校卒業生に送られる大島紬ストラップ

島巣立つ高校生にエール 産業振興基金協会

 (公財)奄美群島地域産業振興基金協会(牧雅彦理事長)はこのほど、奄美群島にある高校の2020年度卒業生全員に大島紬ストラップを贈ると決めた。それに先駆け2日、奄美市名瀬の県立大島高校(竹井俊久校長、生徒737人)を訪れ、生徒代表に3年生のためのストラップ248個を手渡した。

 同協会は奄美を代表する伝統工芸品「大島紬」商品開発、販路拡大などに務める。奄美を巣立つ高校生を応援しようと、紬を使用したアイテム進呈を初企画したという。

 準備したストラップは長さ16センチ、幅2センチで紬柄は2種類。寄贈数は群島内の10高校(奄美高校定時制含む)の卒業生824人分に上る。

 この日は、牧理事長ほか協会関係者2人が、寄贈数が最も多い大島高校にストラップを持参。校長室で寄贈式があり、代表して前生徒会長の3年・箕輪千里さんが受け取った。

 同校によると毎年卒業生は進学・就職で9割以上が島外に出ていく。4月から筑波大=茨城県=進学が決まっている箕輪さんは今回のプレゼントに謝意を示し、「同窓生は喜んでもらえると思う。大学では大島紬を研究する予定で、周囲にも魅力をアピールする。将来は奄美のために力を尽くしたい」と意欲を語った。

 牧理事長は「普段から身に着けられるアイテム。島を巣立つ若者に奄美を忘れないでとの思いを込めた」と話した上で、「成人式には紬着用して、奄美の特産品を大事にする気持ちを持ってほしい」とエールを送った。

 協会関係者によると、ストラップは今月中にも各校に配送される予定。大島高校では卒業式(3月1日)前までには全員に配りたいとしている。