臨時の医療機関が開設される奄美文化センター
奄美市は8日、新型コロナウイルスのワクチン接種に向け、県や医療機関などとの連携調整に迅速に対応するため、市保健福祉部内に「ワクチン接種推進室」を設置した。また、3月に同市の奄美文化センターにワクチン接種のための臨時の医療機関を開設することを明らかにした。今月中にはワクチンを保管するための超低温冷凍庫なども到着する見込みで、3月中旬以降に予定されている医療従事者の接種開始に備える。
「推進室」は、市健康増進課の徳永明子課長をトップとする7人体制。同部の職員を中心に、新たに雇用した看護師2人などを配置。接種に向け、県や市内の医療機関などとの連携を図る。
市健康増進課によると、同市のワクチン接種のスケジュールは、まだ流動的な部分があるものの、3月中旬から4月上旬にかけて医療従事者を対象に行い、4月中旬以降に65歳以上の高齢者に優先接種。その後、基礎疾患のある人、高齢者施設などに従事する職員、一般の人の順で実施する流れとなっている。
ワクチンの納入時期は未定だが、零下75度での保管が必要なファイザー社製のワクチンを保管するための冷凍庫1台が今月中旬にも、県から届く見込みとなっている。同市では3月にさらに2台が配備される予定で、計3台体制でワクチンを保管することになる。
冷凍庫の設置に当たり、停電などに備え自家発電設備が必要となることや、集団接種のための会場確保なども考慮、奄美文化センターに臨時の医療機関を開設することにした。開設期間は3月~8月末を想定。開設期間はホワイエやホールの使用ができなくなる。
市保健福祉部の山下能久部長は「まだスケジュールが不透明な部分も多いが、市として、しっかり態勢をつくって準備を進めたい」としている。
市は、同日専決処分した一般会計補正予算(第11号)で、新型コロナワクチン接種事業費4423万円(全額国庫補助金)を計上。ワクチン接種に関する問い合わせや予約などを受け付けるコールセンターを設置、接種会場の整備、接種業務委託などを行う。
厚労省が示しているワクチンの接種体制では、国が都道府県別のワクチン分配量を調整、各県は国から割り当てられたワクチンを市町村に振り分け、市町村が集団接種の会場設置や医療機関ごとのワクチン分配などを調整することになっている。