ICT活用教育 徳之島町4小が合同公開研究会

「ICT利活用教育」で徳之島町4校で合同公開研究会(公開授業)=9日、母間小

「授業への関心・意欲高まった」

 【徳之島】2019・20年度大島地区「ICT(情報通信技術)活用教育」研究協力校の徳之島町立4小学校(母間・花徳・山・手々)の合同公開研究会(徳之島3町複式・極小規模校部会研修会併催)が9日、母間小を主会場にあった。「ICT機器の有効活用で児童たちの授業への関心・意欲が高まった」など研究発表や遠隔合同授業の公開、分科会などを通じ複式・少人数指導充実への活用を考えた。

 母間小(青﨑幸一校長・児童数40人)、花徳小(石川雅実校長・34人)、山小(中能健尚校長・10人)、手々小(竹野博文校長・9人)の4校はいずれも複式学級実施の小規模校。「ICT活用教育」研究指定(県大島教育事務所)では研究主題に「主体的・対話的で深い学びを構築する学習指導法の創造~遠隔合同授業を核とした複式・少人数指導の充実~」を掲げて推進した。

 母間・花徳・山小の3校については2015~17年度文科省委託事業「人口減少社会におけるICT利活用による教育の質の維持向上に係る実証事業」を実施済み。遠隔地間の双方向型の合同学習で小規模校の「デメリット(多様な考えが出にくい、学習集団が固定しがち、友だちから学ぶ機会が少ないなど)」を最小化。一つの大きな〝バーチャル・クラスルーム〟として高め合う「徳之島型モデルを確立」。19年度から手々小とも共通意識を持ち取り組んだ。

 公開研究会には大島地区教職員ら関係者約70人が4校(会場)に分散参加。母間小体育館を主会場にオンラインで結んだ全体会では母間小の岩下周平教諭が研究発表に立った。

 研究主題に照らした授業の改善工夫への視点「学びある遠隔合同授業」などの合同取り組みを通じた成果に、「ICT機器を活用することで児童の学習意欲の向上に高い効果が得られた」「相手を意識した聞き方、話し方が身につき、双方向的な話し合いの場を設定することで、自分の考えを広げたり、深めたりする姿が見られた」など強調。4校の学習定着度調査の平均通過率の向上も数値データで提示した。 

 一方、課題には「児童一人一人の思考の過程が指導者には見えにくいため、児童の学習状況に応じた適切なヒントや声掛けが工夫しにくい」や、「ICT機器は専門的知識を必要とすることが多く、操作を苦手とする職員や児童も多い。より効果的にICT機器を活用できるよう、機器操作スキルを向上させる研修の充実も必要」などを挙げた。

 引き続き2校ずつの5・6年生をオンラインで結んだ公開授業、4会場ごとの分科会、全体会で討議した。