データを活用した観光振興について考えたテラスみらいフォーラム=和泊町=
【沖永良部】「沖永良部島テラスみらいフォーラム2021~来訪者動向モニタリングシステム整備事業成果報告会~」(和泊町、知名町、おきのえらぶ島観光協会主催)が10日、和泊町役場結いホールであった。パネルディスカッションや基調講演を通して、データをもとにした観光振興策を考えた。
来訪者動向モニタリングシステムは、観光客らのニーズや動向を把握するのが目的。アンケートはスマートフォンで行い、その回答結果を分析・可視化して観光事業者や行政で共有、観光振興に役立てる。
今年度は、昨年11月18日から1月30日の期間に訪れた観光客やビジネス客ら165人を対象にアンケートした。
会場には和泊、知名両町から約20人が参加、オンラインでも10人ほどが視聴した。
最初に、宮城県の気仙沼地域戦略理事・小松志大さんが基調講演し、モニタリングシステムを活用した実践事例を紹介。「蓄積されたデータを見てみると、同業種のお店でもそれぞれで魅力が違うことが分かってきた」と話した。
日本交通公社の中島泰さんは、沖永良部島で行った来訪者アンケートの分析結果を報告。訪問した場所で最も多かったのが「フーチャ」(68・5%)、次に「日本一のガジュマル」(63・6%)、「田皆岬」(58・8%)の順だった。このほか、WiFi環境や食事、お土産などの満足度を数値化したデータも示した。
パネルディスカッションでは、小松さんや中島さん(株)に加え、やまとごころ代表取締役の村山慶輔さん、和泊町役場企画課の吉成大さんの4人がパネリストを務めた。マーケティングデータの収集期間について小松さんは「2年くらい続けると、経年比較が出来るようになる」「やるべきことが見えてくるまで、ある程度のデータ量が必要」と述べた。