12人に修了証書 介護職員初任者研修

出水校長から修了者一人ひとりに修了証書が手渡された。

講師も一緒にみんなで記念写真

介護はプロフェッショナルな仕事
市社協受託職業訓練

 吹上高等技術専門校(出水昌志校長、日置市)介護・福祉科の修了式が19日、奄美市社会福祉センター会議室であった。今回修了したのは、入校者13人のうち、途中で就職が決まった1人を除く12人。出水校長から修了証書を受け取った受講者たちに、会場から拍手が送られた。修了生を代表して八坂真一さん(42)が「現場の事例も交え、濃密な時間だった。介護はプロフェッショナルな仕事だった。先達の知識・技術・思いを受け取り、これからがんばっていきます」とお礼を述べた。

 県の公共職業訓練の一環で、「介護職員初任者研修」を受け、介護職に携わることが目的。市社協が同校から事業を受託して今年で3年目になる。

 同研修は2012年度まで「訪問介護員養成研修(ホームヘルパー研修)」の名称だったもの。介護業務を行う上で最低限の知識・技術や、実践する際の考え方のプロセスを身につけることを目的とする。厚生労働省が定めた計130時間の講義や実習で専門知識を学び、試験に合格すると資格が取得できる。

 受講生は2020年11月19日の入校から3か月の間、通常のカリキュラムをより充実させた計312時間の研修を受けた。なかには外部からのキャリアコンサルティングや消防、医療関係者による講義、市役所職員の就労支援などの項目もあった。

 修了式で出水校長は「皆さんが今回身につけた知識・技能は大いに役立つ。訓練終了後も自らのスキルアップに努めてほしい」とエールを送った。同社協の福山敏裕会長は「全員が資格をとれてうれしい。皆さんが介護の現場で対応できるよう思いを込めた312時間。一人ひとりがこの資格を生かし、即戦力として活躍することを祈っている」と激励した。

 受講者からは「3か月間楽しく過ごせた」「福祉関係を目指して情報収集中。久しぶりに学校に通い、いろんな人に出会えてよかった」「あちこち施設見学しており、これから面接を受ける」などの声が聞かれた。

 八坂さんは介護施設に介護職での就職が既に決まっており、「介護は個人の尊厳をいちばん大事にすると教わった。弱っている人に寄り添える仕事にやりがいを感じる。現場で働いている人が毎日講師として教えてくださり、皆さんの信念を教えてもらえた。これからがんばりたい」と語った。