「おいでよ!下久志ふれあい楽市」

下久志集落が主催、下久志分校跡地に歓声をよみがえらせた「ふれあい楽市」=23日、徳之島町
住民たちのアトラクション披露も

徳之島町下久志・廃校の分校跡地に歓声

【徳之島】昨年4月1日に「廃校」決定した徳之島町立神之嶺小下久志分校の跡地で23日、地元の下久志集落(濵睦男区長)を挙げた同分校跡地活用イベント「おいでよ!下久志ふれあい楽市」があった。歓声が途絶えて久しい〝地域のセンター〟でのフリーマーケットなど交流を通じ、歓声と笑顔の輪が広がった。集落活性化に活用していくという。

下久志集落(71世帯134人)は同町中北部に位置、少子高齢化が進行した地域の1つだ。下久志分校は1877(明治10)年に簡易小下久志分教場として設置後、神之嶺小下久志分校(1~4年生)に。だが、新入学児ゼロによる児童数確保の見通しや校舎(平屋部分)の耐震性など老朽化で、町は2008年度から「休校」。その後、町学校再編検討委員会は「廃校すべき」と答申。町(教育委員会)は地元下久志集落の活用申請にも応える形で昨年4月1日に正式「廃校」を決めた。

濵区長(61)によると、町には、分校跡地を利用して集落を活性化させたいと約3年前から要望。これまでグラウンドゴルフなどには使用していた。校舎(鉄筋コンクリート2階建て)の内部も有効活用するため、住民約40人が力を合わせて清掃作業を展開した。

そして今回初の跡地活用は「今後の活用方策を住民みんなで探るための試行。定期的に開きたい。お年寄りたちの寄り合い茶飲み場、閉じこもりがちな高齢者たちを外に引っ張り出すふれあいの場にもしたい」。対外的には「下久志海岸にも隣接していてさまざまな自然体験型イベントやレジャーができる絶好の環境にある。住民とともに多目的に活用して集落の活性化につながればと思う」と意欲的だ。

「ふれあい楽市」のフリーマーケット開催には特に女性陣が奮起してくれた。住民たちが持ち寄った衣料品や手作り工芸品、小物雑貨、タンカンやバナナなど農産物を含む計7ブースが出店し、家族連れなどが買い求めた。その合間には、住民たち自らが太極拳なども披露して楽しませた。

同集落在住で初イベントをサポートした同町地域おこし協力隊の福本慶太さん(27)は「コロナ禍でわくわく感が少なくなっている中、感染対策に気を付けながら、わくわくできる状態をつくるのは良いと思った。子どもたちからおばあちゃんまで幅広い世代が、定期的に出会う場ができると集落が強くなると思う」と話していた。