県議会代表質問

龍郷町、現行通り見込み
新過疎法制定による過疎地域見直し
ワクチン接種 3月には医療従事者

 

 3月定例県議会は26日、代表質問に入り、同日は自民党の禧久伸一郎議員=大島郡区=、長田康秀議員=鹿児島市・鹿児島郡区=が行った。今年度末で期限切れとなる過疎地域自主促進特別措置法(過疎法)に代わり新法案の制定が検討されているが、過疎地域の要件見直しにより、県内では鹿児島市の旧桜島町が過疎地域から外れる見通しで、奄美で除外対象とみられていた龍郷町は現行通りとなる見込みだ。

 今国会で成立が見込まれている新たな過疎法における過疎地域の要件と本県に及ぼす影響については藤本徳昭企画部長が答弁。それによると過疎地域の要件は現行法同様、市町村ごとの人口要件と財政力要件であり、このうち人口要件にかかる人口減少率の基準年を1975(昭和50)年に見直すとされているが、現行の過疎地域については引き続き55(昭和30)年を基準年として併用する措置が講じられる見込み。財政力が低い市町村に対する人口基準率の緩和は「平成の合併」による合併市町村の一部過疎の特例措置なども定められる見込み。

 藤本部長は「この結果、本県においては鹿児島市の旧桜島町が過去地域から外れることとなるが、今後6年間、引き続き過疎債の発行が認められるなどの経過措置が講じられる見込み」と述べた。奄美では龍郷町が過疎地域からの除外対象となるとの見通しが出ていたが、奄美新聞の取材に同部地域政策課は「龍郷町は従来通りの見込み」とした。

 新型コロナウイルス感染症対策ではワクチン接種体制の整備について質問があった。地頭所恵・くらし保健福祉部長の答弁によると、接種の人材確保で医療従事者等の優先接種においては▽ワクチンを冷凍保管し、接種を実施する基本型接種施設として21医療機関▽基本型接種施設から輸送を受けて接種を実施する連携型接種施設として約800医療機関―を確保しており、「基本的にこれらの医療機関の医師や看護師が接種を行う」。高齢者からその後の一般の人々への接種に向けては市町村が接種方式に合わせて医師会や医療機関等と協議を進めているが、県でも市町村を支援するため県看護協会から看護師を派遣する仕組みを準備している。

 接種スケジュールに関する説明もあった。2月19日から鹿児島医療センターの医療従事者への先行接種が開始されたが、3月には医療従事者の優先接種が行われ、続いて4月以降65歳以上の高齢者に接種開始。ワクチンの接種量を踏まえて基礎疾患を有する人、高齢者施設等の従事者、一般の人々への接種が順次行われる。

 「GoToトラベル」一時停止、再び緊急事態宣言の発令など新型コロナウイルス感染症の影響を受けている観光関連産業の支援では、県内公立学校に対し地元の利用(活用)につながる県内での修学旅行促進が取り上げられた。実施に向けて県は貸し切りバス増便費用の支援、県有施設の入場料減免など進めている。今年度の県内公立学校の修学旅行について木場信人PR・観光戦略部長は「1月末現在379校が県内で修学旅行を実施している」と答弁。

 木場部長は「県内では自然体験や平和学習、歴史文化学習、離島体験など他県にも劣らない学習素材がそろっており、これを通じて見聞を広め自然や文化に親しみ、郷土の豊かな魅力を知り、郷土を愛する心を育むことができる」と述べるとともに、受け入れる県内の宿泊業者やバス事業者が各業界のガイドラインに沿い感染防止策を講じながら対応することで「大人数での移動である修学旅行の受け入れにより、観光客の減少に苦しむ地域の観光産業の活性化につながる」との見解を示した。

 3月1日にも代表質問がある。