“プラごみ”8割占める

喜界島の海岸に漂着したブイの山(喜界町提供写真)

19年度162㌧
喜界町、増加傾向に苦慮

 喜界町はこのほど、同町(喜界島)内の海岸漂着ごみの2019年度回収実績をまとめた。ペットボトルやブイなどの「廃プラスチック」が8割を占め、総回収量は162㌧で前年度比67%(65㌧)増となった。これら“プラごみ”は例年多く漂着するとして、同町は回収と処分に苦慮している。

 19年度回収実績によると、▽廃プラスチック132・5㌧▽木くず16・5㌧▽靴や医療器具などの「混合」12・9㌧―など。過去3年間の総回収量は16年度124・8㌧、17年度8・5㌧、18年度97㌧。19年度の回収量は近年、もっとも多い。

 同町の町民税務課によると漂着ごみは島内の港湾や海岸に打ち寄せられ、特にプラごみは中国語やハングル語がラベル表記されたペットボトルや、漁具での使用と見られる発泡スチロール、ブイで占めている。

 ごみについては回収し、一部はクリーンセンターに搬送する。ブイの処理は島外搬出という。町は処理費用に例年700~800万円程度を予算化。20年度は約780万円を計上した。

 特に台風通過後や北風が吹く冬に多く漂着し、ボランティアなどの協力を得ながら回収作業を実施。住民からは近年、大陸からのプラごみが多いことに
対する懸念の声は少なくない。医療系廃棄物(注射器など)と思われるごみも混じり、危惧している。

 同課は「ごみは奄美大島を回り込んで漂着していると思われる。景観美化や環境維持のため、回収作業は必要」として、対応につとめていく方針だ。