小宿中美術教諭吉村さん 小宿郵便局で展覧会

小宿郵便局で展覧会への思いを語る吉村英彦さん

地域住民から「懐かしい」の声

 奄美市名瀬の小宿郵便局(武下義敏局長)で3月1日から、奄美市立小宿中学校美術教諭・吉村英彦さん(55)の展覧会が始まった。同中学校に赴任して以来見つめ続けてきた校内の風景を形に残したいと思い、2020年3月6日から校内のスケッチを描き始めた。展覧会場である同郵便局にはその中から13点の作品が並ぶ。

 当初は同中学校内での展示を予定していたが、風が強く展覧会に適さなかった。また、校内の風景を同中学校の卒業生にも見てもらいたいという思いから、郵便局での展覧会を決意。吉村さんにとって、郵便局での試みは今回が初めて。

 「学校へ続く三中橋や、校庭の前の通路など、同じ風景でも時間帯や季節によって全く見え方が異なる。その違いを感じられるのは、長い期間働いているからこそ。一度訪問しただけでは感じることができない風景を地域住民のみなさんに感じてもらいたい」と吉村さんは語る。また「訪れた方々に懐かしさを感じてもらえたら。今はなかなか気軽に来校することができないが、もともと小宿中学校は外に開かれた環境。コロナが収まったら、またいつでも遊びに来て欲しい」とほほ笑んだ。

 会場となっている同郵便局の武下局長は、「近年多くの郵便局で、バザーや展示会を開催している。郵便局が地域の方の憩いの場、コミュニティの場になれたら」と語る。

 郵便局に訪れた人々からは「なかなか見ることのできない母校の風景を久しぶりに見ることができてうれしい」などといった喜びの声が聞かれているという。同郵便局で働く伊東勇人さん(38)は、同中学校の卒業生。「昔自分が見たものが、そのまま変わらず残っているので懐かしい」と笑顔を見せた。

 展覧会は特に期間を定めていないとのこと。平日開館のみで時間は午前9時から午後5時まで。郵便局の来訪者は誰でも作品を閲覧することができる。