三密を避けて「大鹿児島展」

大島紬のコーナーで説明を受ける、飯塚さん(中央)と弓沢さん(右)

奄美からは紬、黒糖焼酎など
緊急事態宣言下の東武百貨店で

 【東京】豊島区池袋の東武百貨店8階の催事場で2月25日から3月2日まで「大鹿児島展」が開かれた。コロナ禍での物産展とあって、三密を避けての催しになった。奄美からは大島紬、黒糖菓子、黒糖焼酎などが出展された。関係者らはマスク越しに来場者を温かく迎え、奄美の魅力をアピールしていた。

 鹿児島県と(公社)鹿児島県特産品協会が主催した恒例の「大鹿児島展」は、今回で40回目。ほかに奄美からパールや徳之島産黄金生姜(しょうが)粉末などがやって来た。収穫したばかりのタンカンは、土日限定の販売で人気を集めていた。緊急事態宣言下での物産展は、昨年に引き続き、各所に消毒液を備え、試飲と試食を取りやめ、担当者はマスクでの対応に。「せっかくのいい香りが伝わらないが、仕方ない」と黒糖焼酎の蔵元らは残念そうだったが「奄美だけの味わいをいかが」と笑顔で訴えていた。

 来場者は、まばらだった昨年より増加傾向で「感染が始まったばかりの去年よりは、人は出ています。コロナ対策に慣れたのでしょうか」と出展者は印象を話した。

 大島紬のコーナーに足を止めていた飯塚栄子さんと、弓沢千恵さんは「こんな時期なので着る物で気持ちを上げてみたい。大島紬は、それにふさわしい素敵な素材ですね」と声をそろえていた。

 東武百貨店広報課・佐藤拓己さんは「アルコール消毒を徹底し、通路も幅を広く取って安心、安全を大前提に無事開催できました」とほっとした表情で語った。関係者によると、40回の伝統を誇る大鹿児島展に「開催を中止にする声は全くなかった」という。