県議会一般質問

自殺関係相談5・5倍に急増
県立高校制服選択制 現在6校、14校実施予定

 3月定例県議会は8日、引き続き一般質問があり、鶴薗真佐彦議員=自民党、薩摩川内市区=、安楽英美議員=県民連合、鹿児島市・鹿児島郡区=、小幡興太郎議員=自民党、出水市区=、鶴丸明人議員=自民党、霧島市・姶良郡区=が登壇。新型コロナウイルス感染症対策の影響として自殺予防対策が取り上げられ、今年度に入っての相談件数は前年度の5・5倍に急増していることが報告された。

 地頭所恵・くらし保健福祉部長が答弁。県では国の地域自殺対策強化事業を活用し、自殺対策に取り組む民間団体に補助金を交付して活動を支援している。2019年度・20年度の補助団体はいずれも9団体(鹿児島市など県本土に所在)で、若年層を対象に対面や電話相談、さらにSNS対応の相談も実施している。

 答弁の中で相談件数が報告され、19年度は3847件、20年度は1月末時点で2万1174件も寄せられている。相談内容は心身の健康問題、子どもの不登校やいじめなど教育問題、家族の不和や親の介護など家族問題、借金や生活困窮など経済問題と多岐にわたっている。

 避難所の在り方で新型コロナ感染症対策指針を踏まえた備蓄対策が取り上げられた。県が作成した指針では、避難所で感染防止に必要な資材としてパーテーション、段ボールベッドなど事前に準備するよう市町村に対し示しているが、地頭所部長は「県では大規模な災害発生など市町村の避難所で備蓄が不足する場合に備えて、今年度新たに段ボールベッド、段ボールパーテーション、段ボール仮設ハウス等を備蓄したところ」とし、議員が求めたテント型パーテーションについては「市町村の備蓄状況を見極めながら今後の対策を検討したい」と述べた。

 魅力ある高校づくりで、LGBT・性的マイノリティーにも配慮した選択肢の拡充で制服の選択制に関する質問があった。東條広光教育長は答弁で「従来の詰襟、セーラー服からブレザー化した後において女子生徒のスカートかスラックスかを選択できる県立高校が現在6校、今後選択制を予定しているのが14校。リボンかネクタイかを選択制にしている学校もある」と報告。性的マイノリティーとされる生徒への配慮だけでなく自転車通学の安全性や強かん対策、近年の流行や生徒の希望も考慮しているとした。

 なお、人権同和教育課によると大島地区の高校での制服の選択制は実施、実施予定を含めて現在のところゼロとなっており、まだ導入する動きは出ていない。