漂着ごみを回収するスタッフや協力者たち
奄美市笠利町の佐仁海岸で6・7日の両日、漂着ゴミの回収・分別・調査をJANUS(日本エヌ・ユー・エス㈱)とASA(奄美サーフィン連盟)が協力して行った。県の環境林務部廃棄物・リサイクル課が同社に委託したもので、漂着ごみの組成調査や存在量を把握し、経年変化を把握する目的。佐仁海岸には7日、10人のスタッフが参加、当日までに漂着ごみの回収、分別・調査を行い、約1㌧の漂着ごみが産廃として県本土へ送られた。
この調査は同社が行うのは2回で、同海岸では今回で4回目。冬から春にかけてきた風が吹くこの季節は特に東シナ海川沿岸にたくさんのごみが漂着。同海側に多くのサーフポイントがあることから奄美サーフィン連盟の長博文会長らが協力を申し出た。ビーチクリーンも兼ねた作業に賛同者らが参集し、小雨の降る中、漂着物のブイや漁具、ペットボトルなど、前日のごみと合わせて1㌧の漂着ごみが分別された。
長会長は、初めての漂着ごみ回収・分別・調査作業への参加で、「海で常日頃遊ばせてもらっている。海への恩返しのつもりで参加した。奄美の海もごみの量が増え、浜に有害
物が浸透し、微生物が侵されている。海への危機管理を考えないと大変なことになる。安全な海を次の世代に継いでいかなければ」と語った。
JANUSの野上大介沖縄事業所所長は、回収したブイを参考に説明。ブイにフジツボやノリなどが付かないのは、錫(すず)や鉛などが使用されており、海外のブイが数多く漂着していることなどを伝えた。
初参加の40代男性は「注射針や医療系のごみが増えていると聞いた。この調査を国同士で共有できるといい。環境問題は大事」と話した。
回収されたⅠ㌧の漂着ごみは、ボランティアが集める漂着ごみと違い、生活ゴミではなく産業廃棄物として奄美市内の最終処分場では処分できず、鹿児島本土へ輸送された。