りゅうがく館へ平瀬マンカイの人形を贈った井ノ上さん
2013年3月21日に展示されていた井ノ上さんの作品(提供写真)
井ノ上さんの作品 りゅうがく館へ
恒吉さんの言葉通りに
奄美市名瀬に住む井ノ上みのりさんはこのほど、2013年3月21日に「寿人形教室作品展」で製作展示した紙人形で作った、平瀬マンカイの作品を龍郷町りゅうがく館に贈呈した。同人形教室の講師で6年前の3月12日に亡くなった元奄美市母子寡婦福祉会会長だった恒吉佳子さんとの約束を守ってのことだったという。
井ノ上さんは、この時作ったのは平瀬マンカイだけでなく、ショッチョガマもあわせて作っており、両作品の一部を恒吉さんも自ら紙縒=こより=を巻いてくれたりして手伝った。その際に「あなたは子どもがいないから、作品は縁のある龍郷に贈呈してね。それがきっといいわ」と言われていたという。
井ノ上さんはショッチョガマと併せて同町に贈呈したかったが、マスクづくりに追われて修復が間に合わなかった。7回忌を迎えた師匠の恒吉さんの命日前後に、「言葉通りに、自宅で埋もれないよう平瀬マンカイだけでも贈ることができた」ことをほっとし、喜んでいた。
「亡くなって6年も経つなんて本当に時のたつのは早い。でも、ようやく恒吉さんとの約束が守れてよかった。やっと報告できます」と感慨深げに話した。
井ノ上さんの玄関には恒吉さん作の紙人形のお内裏様とお雛様が飾られていた。
同館での展示は現在行われておらず、展示物更改が行われた後の5月連休後になる予定。