森永さんの話に聞き入る生徒たち
奄美市名瀬の奄美高校(宇都尚美校長)は17日、NHK教育テレビ(Eテレ)の番組「デザインミュージアムをデザインする」の関連企画で、世界的ファッションデザイナーの森永邦彦さんとオンライン特別授業を行った。参加したのは同校家政科2年生17人。森永さんは「今は厳しい日常だけど、この時期に感じたことや考えたことはとてつもないパワーを持っている。大切な時間の中にいることを忘れないでほしい」と呼び掛けた。
同授業は同校の教室と、森永さん事務所(東京)、司会(NHK鹿児島)をオンラインで結んで行われた。
森永さんは大学在学中から服作りを始め、2003年ANREALAGE(アンリアレイジ=日常、非日常、時代、を意味する)として活動を開始。東京コレクションで発表を続けた後、パリコレクションなどで活躍している。
森永さんは自己紹介で「日常と非日常を、ファッションを通して伝えていこうとしている」と話し、室内では白色だが太陽を浴びるとカラフルになる服を紹介、歓声がわいた。森永さんが作品づくりに影響を受けた奄美大島のノロの装束「ハブラギン」については、「『着る人を守りたい』という思いが徹底しており、何倍もの手間暇をかけてつくられている」と絶賛した。
森永さんへの質問コーナーでは、さまざまな質問が。これからドレスをつくる生徒からの「ドレスをつくる上で大切なことは?」という質問には、「自分らしいものであることが大事。マイノリティになるが自分にしかわからないよさ、人と違うことがファッションでは大事」と答えた。
授業に参加していた里琉海夏=るみか=さん(17)は「世界で活躍するデザイナーの話を聞けて貴重だった。ハブラギンのことは知らなかったが、森永さんが注目してくれて、奄美を誇っていいんだな、と思った」と話した。春山桜愛=さくら=さん(17)は「森永さんはファッションのアイデアがたくさん浮かんでいてすごい。自分はなかなかアイデアが浮かばないので」と語った。
なお、ノロのハブラギンと、それに影響を受け制作した森永さんの衣装が▽3月20~31日=瀬戸内町立図書館・郷土館▽4月10日~5月9日Ginza Sony Park(東京・銀座)で展示される。