合宿に合間にサプライズ登場、伊仙中卒業生たちを励ました井出さんと榊原さん(提供写真)=16日、伊仙町
【徳之島】徳之島で強化合宿中の五輪トライアスロン競技の元日本代表で、東京五輪代表候補の井出樹里さん(37)=スポーツクラブNAS(神奈川)=が、16日にあった伊仙町立伊仙中学校(福永洋治校長、全校生徒数94人)の卒業式会場にサプライズで登場。合宿の感想も交え、卒業生たちに「なりたい自分」への強い信念と努力を促すなどエールを送った。
井出さんは2008年北京五輪で日本人初の5位入賞で注目を集めた後、日本選手権3連覇、10年アジアビーチゲームズ金、五輪は12年ロンドン大会にも連続出場。日本トライアスロン連合(JTU)の女子強化A-2指定選手と東京五輪代表候補の一人にもなっている。
初の徳之島合宿は、JTUの女子強化B指定の蔵本葵さん(33)=東京ヴェルディ(東京)=や男子強化C同の榊原利基さん(27)=ANAシステムズ(神奈川)=らとともに先月15日からスタート。プールやトレーニング室のある伊仙町ほーらい館を中心に、今月21日まで35日間にわたる長期合宿を継続中だ。
ハードな練習の合間をぬって7日には、添畑大海コーチとともに伊仙町で青少年や一般対象の実技講習会(約80人参加)で交流。そして16日午前は伊仙中卒業式後の会場へ、同日午後には天城町立天城小の5、6年生33人を対象に実技講習も。合宿地の人々と積極的に交流している。
伊仙中卒業式会場(体育館)には、井出、榊原両選手がサプライズで登場。井出さんらは「ふだんは国内や世界を転戦して生活。徳之島の人々の温かさや島の美しさ、島の持つパワーに日々魅了されながら練習を続けて1カ月。こんな素晴らしい所はあまりない。みなさんにもすごく大きな力があり、心優しく育っていると思う」。
井出さんは卒業生(28人)たちに「卒業後、それぞれ進む道で起きる困難なことも、みなさんは必ず乗り越えられる。『なりたい自分』を強く思い、信じて願い続ければ、必ず手に届く」とも励ました。
卒業生の一人で、合宿中にトレーニング体験に参加した森駿太さん(15)は「卒業式の日に来ていただき、びっくり。井出選手の目標に向けた挑戦はすごいと思った。4月からの新たな挑戦にがんばります」と決意を新たにしていた。
井出さんらは21日午前10時半からは「トライアスロン公開練習in徳之島町」(会場・同町亀津新漁港)も計画している。