20年度地域創造大賞(総務大臣賞)の伝達を受けた徳之島町文化会館の実島館長(右から2人目)ら関係者=24日、同町役場
【徳之島】徳之島町文化会館(実島一仁館長)が、「2020年度地域創造大賞(総務大臣賞)」(一般財団法人地域創造主催)の全国6施設の一つに選ばれた。創造的で文化的な表現活動の環境づくりに特に功績のあった公共文化施設が対象。県内からは10年度の霧島国際音楽ホール(みやまコンセール)以来2例目。24日、同町役場で伝達式があった。
同町文化会館(延べ床面積3431平方㍍、総席数608席)は1994(平成6)年に開館。町教育委員会の直接管理を経て06年4月から任意団体「楽しむ人の館」(代表・実島館長)が町の指定管理者となって管理運営。公的および民間助成金も積極的に活用し、鑑賞の場提供にとどまらず、地域の資源を題材にした演劇などの自主制作にも積極的に取り組んできた(町教委)。
地域創造大賞(総務大臣賞)は、全国の地方公共団体から推薦応募のあった施設について、専門家ら同審査委員会が審査。特に功績のあった施設を顕彰し、全国に紹介することで、公立文化施設のさらなる活性化、美しく心豊かなふるさとづくりの推進などが目的。今年度は宮城、山梨、愛知、大阪、愛媛の6府県の計6施設が選ばれた。
人口1万199人(今月1日現在)の徳之島町文化会館については、特に「文化交流による〝心豊かな暮らし〟」に貢献。子どもたちの文化体験に力を入れ、小中高の吹奏楽部を応援する「子ども音楽フェスティバル」や「子ども文化祭」、保育園へのアウトリーチなども展開。ほか、講座「島学」や5年に1度の島民劇による人材育成などへの貢献も認められた。
コロナ禍で表彰式典が見送られ伝達式に。実島館長(56)は「行政や町民など多くの人々の協力があってこそいただけた賞。今後のコロナ情勢は不明だが、文化活動がますます大事になると思う。さらに頑張って住み良いまちづくりに協力したい」。伝達した高岡秀規町長は「町文化会館は民間委託の成功事例の一つ。子どもたちの文化活動も地域に密着し、子どもたちにも伝わっていることが表彰につながったと思う」と話した。