徳之島町とソフトバンクが連携協定

徳之島町とソフトバンク㈱が、離島の教育課題解決やSDGs推進で連携協定=25日、同町生涯学習センター

ICT利活用 離島の教育課題解決
SDGs推進へ

 【徳之島】ICT(情報通信技術)利活用を通じ連携交流している徳之島町(高岡秀規町長)とソフトバンク㈱(本社・東京都港区、宮内謙代表取締役CEO)は25日、「離島における教育課題解決およびSDGs(持続可能な開発目標)未来都市推進に関する連携協定」を締結。相互の資源を活用して教育・子育て支援、SDGs推進に関する連携取り組みを深化させていくという。

 徳之島町は2019年7月、県内自治体では初めて内閣府の「SDGs未来都市」に選定された。「あこがれの連鎖と幸せな暮らし」実現に向け、コワーキングスペース「みらい創りラボ・いのかわ」を拠点に、産官学のパートナーシップでSDGsを推進している(町当局)。

 ソフトバンクについても「SDGsの達成」を重要な経営課題に位置付けて推進。その重要課題の一つに、ICT利活用を通じた地域活性化を柱にした「DX(デジタルトランスフォーメーション)による社会・産業の構築」がある。同社の最先端テクノロジーを活用し、徳之島町SDGs目標の達成への貢献も掲げている。

 双方の交流は19年12月、同社ICTの「部活動サポート・スマートコーチ」を活用した鹿屋体育大学―徳之島高校両野球部の交流提供が始まり。20年8月には同社グループの人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を活用した同町プログラミング教育研修会。さらに同11月は同町花徳小学校と和歌山、茨城両県の3校間を結んだオンライン防災授業にも協力している。

 事業連携協定式は同町生涯学習センター―ソフトバンク本社間をオンラインで結んであった。調印後、高岡秀規町長はあらためて「地域振興には子どもたちの教育が大事。離島における教育格差の解消にICT、ⅠoT(モノのインターネット)、プログラミング教育を開始。時代に求められるグローバルな人材の育成に」と期待。

 ソフトバンク人事総務統括CSR本部の池田昌人本部長によると、これまで全国58市町村と協定を結び、鹿児島県内および全国離島は今回が初。ICTが持つさまざまな可能性を通じたSDGsの推進や人材育成など課題解決への連携(3年間)に期待。徳之島トライアスロン大会常連の一人として親しみを込めた。

 第2部では、連携事業に関し提言・助言などを行っていく「共創アドバイザー」として同社地域CSR3部の西郷隆子さん(西郷隆盛・愛加那のひ孫)に委嘱状を交付。今後の取り組みでは、(1)中高生対象のインターンシップ(職場体験)(2)教員への「ベースボール型体育授業」研修(3)Pepper人権教育などを予定しているという。