ネコ問題への意識向上

町内でのノラネコの分布を説明する平田さん(中央)

町内のノラネコ不妊化率100%
外ネコ調査報告会 有屋町・ACN

 奄美市名瀬の有屋町内会と奄美ネコ問題ネットワーク(ACN、久野優子代表)は27日夜、同町の有屋公民館で有屋外ネコ調査報告会を開いた。住民や行政、関係者ら約30人が参加。昨年10月から同町で行われていた外ネコの実態調査の結果を報告。最終的に町内で46匹の外ネコを確認し、TNR(捕獲して不妊化手術し元に放す)などにより、ノラネコの不妊化率は100%となった。住民から「調査に参加することにより、ネコ問題への意識が高まった」という声が上がり、久野さんは「この活動を周囲の町にも広げていきたい」と語った。  

 ACNは奄美猫部、NPO法人奄美野鳥の会、奄美哺乳類研究会の3団体が中心となり、ネコ問題の啓発を推進してきた。2019年度から同市名瀬大熊町で、20年度は大熊町に加えて有屋町でも、住民とともにノラネコの生息状況を調査。得た情報は市のTNR事業に活用された。同調査は「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」の、「市街地地区の外ネコモニタリング」に位置づく。このプロセスを住民と一緒に行うことにより、実態把握、高い不妊化率とともに適正飼養の意識向上を図り、将来的に外ネコゼロを目指している。

 調査報告は同町内会事務局長で同市環境対策課の平田博行課長が担当。10月の事前調査では30匹の外ネコを確認し、ノラネコの不妊化率は78%。得た情報を市に提供してTNRを進め、1月の事後調査では46匹の外ネコを確認し、ノラネコの不妊化率は100%に上昇した。

 会場からは「これまで気にかけていなかったが、調査に参加してネコを意識するようになった」「正しい飼い方をうまく広めていきたい」「暖かい時期に調査をやったほうがよい」「あのあたりで捨て猫が多いらしい」など、活発な意見が飛び交った。

 ACNの鈴木真理子さんは住民から回収した事前アンケート(97件)の結果概要を報告。飼い猫条例を大まかに知っている人は約半数で、マイクロチップの義務化はあまり知らない人が70%以上。まだまだ周知が足りないことが浮き彫りになった。

 まとめとして、ACNの塩野崎和美さんは「この調査で実態がわかり、不妊化率も上がった。関心も高まったと思う。耳カット(TNRを施した印)していないノラネコを見かけたら市の環境対策課に情報提供するなど、行動してほしい」と呼び掛けた。

 田丸友三郎町内会長(68)は「正直なところ町内に50匹近くもノラネコがいて驚いた。調査に参加し、歩きながら話を聞くことで、普段は見えなかったネコの被害などが見えてきた。継続して調査をすることでネコ問題に関心を持っていきたい」と話した。

 同市環境対策課の平田課長は「市内では登録済み飼い猫の不妊化が8割以上進んでいる。5市町村でも7割になり、意識は上がっている。新年度から5市町村で足並みをそろえて、飼い猫条例を守っていない人にどういう指導をするかなどのルールづくりをしていく」と語った。