7月16~31日の日程決定

奄美・沖縄登録審査の世界遺産委
オンラインで開催

 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)の世界自然遺産登録の可否が審査される予定の第44回ユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産委員会の日程が31日、決定した。ユネスコ世界遺産センターの発表によると、7月16~31日(20日を除く15日間)で、中国・福州での開催予定だったが、オンラインで開催されることになった。

 世界遺産委員会は当初、昨年夏に中国で開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大で延期され、同年11月に新たな日程が発表された。今年6~7月に中国・福州で開催、20年・21年と2年分の推薦候補をまとめて登録審査するとし、日本からは、奄美・沖縄の自然遺産候補のほか、文化遺産候補に「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田)も推薦されている。

 中国での開催が見直され、オンラインで開催される世界遺産委員会の日程が決定したことで、世界自然遺産登録に関するユネスコの諮問機関・IUCN(国際自然保護連合)の勧告は6月上旬までに示される見通し。県自然保護課奄美世界自然遺産登録推進室は「(オンライン開催の理由について)ユネスコのホームページでは新型コロナウイルスの影響としている。IUCNの勧告は世界遺産委員会の6週間前というルールがあり、6月上旬までには勧告が行われるのではないか」と説明する。

 ユネスコが日程を決定したことに対し、県は塩田康一知事のコメントを発表。「世界遺産委員会の開催は、登録に向けた関係者のこれまでの取り組みが実を結ぶ最終段階の極めて重要なものと認識している。県としては、引き続き、国等関係機関との連携をさらに密にしながら、奄美の世界自然遺産登録に向け、着実に取り組んでいく」との決意を示している。

 奄美群島広域事務組合管理者の朝山毅奄美市長は「開催に向けて調整をしていただいた関係者に感謝申し上げるとともに、待ち望んだ世界自然遺産への登録に向けて、関係機関一同準備を進めてきたところであり、あらためて気が引き締まる思い。関係機関や住民との連携による自然環境の保全と資源の活用をより一層推進し、吉報を待ちたい」、大島郡町村会会長の高岡秀規徳之島町長は「新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束を願いつつ、奄美群島民、鹿児島県民および沖縄県民の念願である世界自然遺産の登録実現を期待している」とそれぞれコメントを発表した。