奄美群島初の女性消防職員誕生

奄美群島初の女性消防職員となった大島地区消防組合名瀬消防署の西奈七子さん

きめ細やかなサービスの提供目指す
名瀬消防署・西さん

 大島地区消防組合名瀬消防署で1日、奄美群島初の女性消防職員が誕生した。消防本部予防課予防係の西奈七子=ななこ=さん(22)だ。穏やかで優し気な雰囲気の西さん。女性ならではの細やかさや安心感のあるサービスの提供など、今後の活躍が期待される。

 西さんは神奈川県川崎市出身。奄美市笠利町出身の両親の元に生まれる。小さいころインフルエンザで高熱を出し救急車で運ばれた際対応した職員にあこがれを抱いたのが消防職員を目指すきっかけに。大学進学の際、本格的に救命の道に進むことを決意。救急救命士の国家資格を取得した。

 西さんの目標は「市民の方の気持ちを考えて、声掛けやいたわりの気持ちを忘れないような消防士になること」。

 西さんが配属される予防係は、火災後の調査に加えて火災を未然に防ぐのが主な業務内容。同課の川畑格=いたる=予防係長は「高齢者の自宅を訪問し注意喚起を行ったり、火災予防週間には防火講話をすることがある。その際に相手により安心感を与えられるのは女性」と西さんの活躍に期待を寄せた。

 同組合の永田隆樹消防長は「女性の要援護者は特に、女性の職員が対応する方が安心する。女性ならではの細やかさを生かし、住民サービスの向上につなげたい」と話した。

 西さんは辞令交付後約半年間、日置市の県消防学校で初任教育を受ける。その間同本部庁舎では、女性用トイレや浴室、仮眠室などの整備を実施予定。

 西さんは「職場はとてもアットホームな雰囲気。男性職員に劣らないよう、訓練などをがんばりたい」と笑顔で話した。