窪田さん「体験型観光農園」に挑戦

窪田圭喜さんが借りている田んぼでマコモ苗の植え付け作業を行った御殿場高原「ありがとう寺」一行ら。手前が町田宗鳳住職

マコモ苗植え付け受入 静岡「ありがとう寺」一行来島
龍郷町幾里 「荒廃地解消につなげたい」

 静岡県御殿場市にある御殿場高原「ありがとう寺」(町田宗鳳住職)の町田住職と信者一行6人は7日、龍郷町幾里の田んぼでマコモ苗の植え付けを行った。一行は、田んぼの泥に苦戦しながらも応援に駆け付けた地元農家ら3人の指導を受けながら2区画合計20㌃の田んぼにマコモ苗を植え付けた。受け入れたのは地元農家の窪田圭喜さん(80)=幾里=で、窪田さんが10月中旬の収穫時期まで田んぼの維持・管理作業を担う。窪田さんは「体験型観光農園」の運営に挑戦している。「ありがとう寺」一行は10月中旬ごろの収穫時期に来島を予定しており、「収穫が楽しみ」と話していた。

 寺の一行は、一昨年から幾里の別の田んぼでマコモ苗の植え付け作業を行っており、今回で3回目。

 この日は、地元農家の勝山信好さん(75)らが作業を応援した。窪田さんが借りている1区画10㌃、2区画合計20㌃の田んぼに高さ約50㌢のマコモ苗を植え付けていった。ロープを張り、それに沿って2㍍間隔で苗を植えた。窪田さんによると、「ちどり植え」と言われる方法で植え付けた。2区画目の10㌃の田んぼでは25分で植え付け終了した。

 窪田さんは今後、田んぼの水の管理、あぜの除草を担う。10月中旬の収穫時期にマコモは高さ2㍍ぐらいに成長するという。「町からの補助金を受ける。体験型観光農園として活用していけば、荒廃地解消(休耕田解消)につながる。体験型観光農園を少しずつ増やしていきたい」と意欲を見せた。

 秋名・幾里地区でマコモは、根元部分の肥大した新芽(マコモダケ)をスライスして天ぷら、炒め物、みそ汁、煮物、サラダなどの具材として利用し、葉っぱをマコモ茶にして利用している。

 町田住職(70)や信者の女性によると、寺ではマコモの葉っぱを「しめ縄」「枕」「ゴザ」「敷き物」「乾燥させて部屋に飾る」「風呂の中に入れる」などで活用。信者女性は「いろいろな活用をしており、収穫が楽しみ」と話し、笑顔を見せた。

 町田住職は、広島大学名誉教授などの肩書を持っている。
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 マコモは3~4月ごろが苗の植え付けシーズンで、5月以降に植え付ける農家もいる。町によると、栽培の中心地区である秋名・幾里地区では、22人が約3㌶(昨年10月時点)で栽培している。