田んぼに多様性学ぶ

地域の高齢者に指導を仰ぎ、田植えを行う阿室小中学校の児童生徒たち

地域住民と田植えや生き物観察
阿室小中

 宇検村の阿室小中学校(中村正治校長、小学生16人、中学生4人)は10日、環境学習「阿室米を育てよう!~田植え」と「田んぼの生き物から奄美の生態系を学ぶ」を校庭の水田で開いた。同校は4月から県教育委員会の「環境教育」研究協力校に指定。児童生徒らは保護者や地域住民らと協力しながら田植えを行い、様々な命が支え合って暮らしている自然・生物の多様性を学んだ。

 研究協力校の取り組みは2年間。奄美の生物多様性の学習・発信など、実践的に取り組んでいく。

 田植えは1999年にはじまり、地域住民と一緒に取り組む恒例行事。生態系の観察を組み合わせることで、自然と生き物の関係も肌身で実感した。

 田植えは、約1㌃の水田にもち米を植えた。同校の稲作指導員の後藤恭子さんを講師に、保護者、地域の平田老人会も指導で協力。素足で泥田に入った児童生徒らは「ヌルヌルしてる」など声を上げつつも、束から3・4本を抜き出し、規則正しく苗を植えつけた。

 生態系観察では、エコツアーガイド「フェールドワーク」代表の西真弘さんが講師となって、たも網片手にオタマジャクシやゲンゴロウ、アメンボなどを次々に「ゲット!」。名前や見分け方、特長を伝えた西さんは、「農薬を使ってないからたくさんの生き物が見られる。素晴らしい田んぼを大切に」など呼び掛けた。

 5年の宮原航太くんは「泥の感触が気持ちよかった」。多様な生き物の発見には「自然の力はすごいと思った」と喜んだ。

 今後は、児童生徒らが水田を管理。稲刈りは7月下旬ごろを予定している。