岸防衛相、奄美駐屯地など視察

陸上自衛隊奄美駐屯地を視察する岸防衛

 

 

南西防衛強化へ激励
中国念頭、隊員へ訓示

 

 

 岸信夫防衛相は18日、奄美大島を訪れ、陸上自衛隊奄美駐屯地など4施設を視察した。大臣が奄美の自衛隊施設を訪問するのは初めて。訓示で岸防衛相は「我が国を取り巻く安全保障環境は極めて速いスピードで変化している。諸君は最前線で重要な役割を果たしており、日本の平和と安全は自らの双肩にかかっていると自覚し精励してほしい」と南西防衛に万全を期すよう激励した。

 視察は、中国の海洋進出を念頭に、態勢強化が進む南西防衛の状況確認が目的。岸防衛相は17日に沖縄県の陸上自衛隊与那国駐屯地を視察後、航空自衛隊C―1輸送機で奄美入り。18日は、航空自衛隊奄美大島分屯基地(奄美市笠利町)、陸上自衛隊奄美駐屯地(奄美市名瀬大熊)、同瀬戸内分屯地(瀬戸内町)、海上自衛隊奄美基地分遣隊(同)を視察した。

 報道陣に公開した陸自奄美駐屯地での訓示では、中国による接続水域での潜水艦潜航や空自戦闘機の緊急発進の増加など緊張の高まりに言及。「いかなる状況であっても日本の領土領空を断固として守らなければならない。全員一丸となって取り組むことに期待する」と約250人の隊員を前に呼び掛けた。

 陸自奄美駐屯地には、午前10時20分ごろに到着。同儀仗広場で吉田圭秀陸幕長ら幹部が出迎えた。

 岸防衛相は状況報告を受けた後、施設を巡視。警備隊が装備する射撃統制装置やレーダー装置、弾薬運搬車や無人偵察機などを見ながら説明を聞いた。

 陸自奄美駐屯地は2019年3月に開設。警備部隊、地対空誘導ミサイル運用部隊など約350人、瀬戸内分屯地には約210人が常駐する。今年度は、電磁波を使って通信やレーダーに関する情報を収集したり、軍事行動を妨害したりする「電子戦部隊」の配備を予定している。