手作りの卒業記念品があふれる

当時の卒園児がヒマワリのごみ箱を囲む。今も残る=提供写真

2代目ポストが入る手作り「はらぺこあおむし」ポストの家

卒園児たちが20歳の時に開けたポストの家の焼酎を取り出し中=提供写真

ポストを守る家やかわいいごみ箱
キビ畑の中の園舎・節田保育所

 奄美市笠利町の節田保育所(南三知子所長)。自然にあふれる園舎の周りは、サトウキビ畑。ルリカケスの親子や園舎の軒先に作られたツバメの巣からは、毎年ツバメが飛び回る。0歳から5歳児までの26人の園児にとって、鳥のさえずりも友達だという。

 同保育所の3本の看板は、保護者の手作り。かわいい看板につられて保育所に向かうと、これまたごみ箱に真鍮=しんちゅう=のヒマワリの花が三つ。花びらには当時の卒園生と先生の名前が彫られている。

 園庭には、芝生のトラック、土山トンネル、今年贈られたマウントキャビンなど、保護者たちの園への愛情があふれんばかり。今はこいのぼりが泳ぐ。

 真鍮のヒマワリが咲くごみ箱は、2004年3月31日に卒園記念として贈られ、ポストの家は、03年3月15日に、卒園児の保護者らが作ったもの。代表だった榊明美さん(53)は、ポストを付けてもすぐにさびたりするので、さびるのを守るためにポストの家を作ろうと発案。「はらぺこあおむし」の色に塗った。名前もはらぺこあおむしポストの家だ。家の下には、卒園児たちが生まれた平成8年に作られた「黒糖焼酎長雲」の一升瓶と、園児の絵、先生からの手紙が収められたという。

 園児たちが20歳になった16年、成人式のお祝いで収められていた焼酎などが、開封され、みんなで飲んだという。余談で明美さんは、長男の小学校卒業祝いに「黒糖焼酎じょうご」をコインロッカーに収めた。「息子の名前がしょうごだから。いいアイデアでしょ?」と周囲の先生たち含め笑わせた。

 当時のポストは壊れたため、19年に再度、卒園記念として贈られ2代目のポストが家の中を飾る。

 同保育所は、笠利町で一番新しい園舎で1990年に開園。笠利町の中でも「かわいい園舎」と節田集落や保護者の人たちは胸を張る。今年も卒園記念の手作り、マウントキャビンが園庭の一角に据えられていた。