アマミホシゾラフグ

大島海峡海底で約2年ぶりに確認されたアマミホシゾラフグの産卵床(25日、興克樹さん撮影)

2年ぶり、大島海峡で産卵床
4月~7月にかけシーズン

 アマミホシゾラフグが描く「ミステリーサークル」のような産卵床が25日、約2年ぶりに大島海峡で確認された。奄美海洋生物研究会の興克樹会長(50)は「昨年確認されなかった理由は分からないが、今年見つかってよかった。これからシーズンに入るので期待したい」と話した。

 興会長によると、アマミホシゾラフグの産卵・繁殖シーズンは4~7月。今回は、瀬戸内町のダイビングガイドが水深32㍍の海底で発見したという。大島海峡での発見は2019年7月ぶり。初めて確認されて以来増減はあったものの、年に一度も確認されなかったことは初めてと興会長。昨年、奄美市笠利町の内湾では確認されている。

 産卵床に向いているスポットは潮の流れが緩やかな内湾の、サンゴ砂の海底。水深15~20㍍で確認されることが多いという。サンゴ礫=れき=や貝殻の破片は、模様を飾りつけるために用いる。

 アマミホシゾラフグは体長約10㌢。星空のような斑点模様から14年にその名が付けられた。シッポウフグ属の新種で、15年には「世界の新種10」に選ばれている。メスへ快適な産卵床を提供する求愛行動として、約2㍍に渡る円形模様を描く。

 興会長は「コロナ禍に少しでも明るい話題を提供できたら。奄美の貴重な生きものをこれからも調査し、守っていきたい」と語った。