県は29日、奄美市内の接待を伴う飲食店で県内29例目となるクラスターが発生したと発表した。奄美大島でクラスターが発生したのは初。これまでの同クラスター関連の感染者は9人で、内訳は従業員が4人、利用者が4人、利用者の職場関係者が1人となっており、利用者のうち2人は奄美市役所職員であることが判明した。
谷口浩一県くらし保健福祉部長は記者会見の中で「不特定多数の人々への感染の恐れがない限り店名は公表しない」と発表。その他、クラスターの発生原因、聖火リレーとの関連、感染者の県外への渡航歴や県外の人との接触、感染者がクラスターとなっている飲食店を訪れた日時、名簿及び従業員・利用客のマスク着用の有無、利用者4人の関係性は全て調査中としている。
同クラスター関連で、これまでにPCR検査を実施または実施している件数は約30件。今後調査を進めていく過程で件数は増えることが予想される。
また県は、県内で28人の新型コロナウイルス感染者が確認されたことを発表。内訳は奄美市の10代から30代の男女9人、大和村の50代男性1人、西之表市の70代男性1人、日置市の20代女性と70代男性2人、姶良市の40代女性1人と10代男性1人、霧島市の20代男性2人と60代男性1人、鹿屋市の60代男性と70代男性2人、鹿児島市の20代から50代の男性7人、知名町の40代男性1人。大和村で感染が確認されたのは初めて。また1日あたり20人以上の感染者が出たのは1月23日以来となる。
谷口部長によると、現在奄美医療圏で確保している病床数は45床。宿泊施設はホテルが1か所あり、当面の病床数は確保できているという。また島外への搬送については現時点では考えていないが、全体像を把握し、必要な時は迅速に動くとしている。
現在の感染状況が全国的に第4波と捉えられていることをうけ、谷口部長は「(県の現状を)第4波と申し上げるのは現時点では難しい。しかし今後も注意深く動向を見守り、感染が起きないよう、また拡がらないよう十分に注意を払って取り組んでいく必要がある」と述べた。また、「ゴールデンウィークに入っており、人の動きが活発になるとともに、人との接触機会も増える。改めて接待を伴う飲食店を経営する事業者は業種別ガイドラインを順守して感染症対策を徹底していただきたい。県民の皆さまにおかれてはお店の感染防止対策の取り組みに協力するとともに、三密をさけ、人との距離の確保など基本的な感染対策を徹底していただくようお願いしたい」と改めて県民に注意を喚起した。