過去最高重量634キロのごみ回収

海上保安部と合同で漂着ごみの調査を行った龍北中生徒ら

龍北中と奄美海保「リサーチきょら活動」
実施20年 海洋環境の現状や保全理解

 龍郷町の龍北中学校(志風寛校長、全校生徒13人)は28日、奄美海上保安部と合同で嘉渡海岸の漂着ごみを調査する「リサーチきょら活動」を実施した。活動開始から20年目の今年は、過去最高総重量634キロのごみを回収。その後重さや国籍を調査し、海洋環境の現状や保全について理解を深めた。

 昨年は新型コロナウイス感染拡大防止のため海保職員は不参加。今年は職員3人が参加し、漂着ごみ調査前に海洋環境と海上安全について講義を実施した。海洋環境について、漂着ごみや生活・産業排水の問題を説明。海上安全では、離岸流の危険性や対処法を伝えた。

 奄美海上保安部の杉山篤志国際取締官は「世界自然遺産を目指す場所として重要な活動。きれいな海は自分たちで守るという意識を若い人たちにつないでいきたい」と語った。

 同校は昨年から調査の際に、海岸を10メートル四方の範囲に区切り、陸側と海側の2班に分けて実施。回収したごみは国籍を記入後、プラスチック▽木▽ガラス▽ビニール▽金属ーなどに分別し重さを測定。調査結果によると、陸側の方が回収量が少なく、発泡スチロールのような軽いものが多いという。

 今年の総重量は昨年の2倍以上。新型コロナの影響で集落清掃の機会が減ったこと、人手が多く、重いごみを回収できたことも要因としてあると担当の吉峯八重教諭は話した。

 池田亜翔夢さん(中3)は「3年間参加したなかで一番ごみが集まった。今後調べ学習や集落の清掃活動を通して、環境保全活動を継続していきたい」と感想。今年初めて参加した1年生の槻木心美=こころ=さんは「集落の清掃とは違う達成感があった。海上保安部の方に、見分けがつかないごみの質問をしながら実施できてありがたかった。環境問題についてさらに深く知って、周囲に広めていきたい」と話した。