奄美大島「レベル5」引き上げ

奄美市のクラスター発生を受け、感染防止対策など今後の対応を協議した奄美大島5市町村長ら

5市町村長対策会議
最大級の警戒呼びかけ「医療体制維持の危機」

 奄美市で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したことを受け、奄美大島5市町村長は30日、対策本部会議(本部長・朝山毅奄美市長)を開いた。会議では、このまま感染拡大が続くと「医療体制維持の危機につながりかねない」として、島内独自の警戒レベルを、現在の「4」(島内で感染者確認)から最高レベルの「5」(島内で集団感染が発生、感染の広がりが認められる)に引き上げ、島民に最大級の警戒を呼び掛けた。同島の警戒レベルが5になったのは初めて。

 一部非公開で行われた同会議には5市町村長のほか、県大島支庁の印南百合子支庁長、名瀬保健所長らも出席、島内の感染状況などについて報告があり、島内の警戒レベルや共同メッセージの内容などについて協議した。

 共同メッセージでは、島民に対し不特定多数の集まる場所への外出など「人との接触の機会を極力減らす」よう呼び掛けるとともに、事業者に対しても換気の徹底や来店者名簿の作成などの対策の徹底を求めている。また、来島者に対しては、「体調が悪い時は来島を見送って」などと要請、大型連休期間中、島内の多くの公共施設が休館や閉鎖となることに理解を求めている。一方で、国の方針なども勘案し、来島自粛や島外への移動自粛などを求める強いメッセージは見送った。 

 同市では29日、市職員2人を含む計9人のクラスターが発生するなど、4月以降、島内での感染者が相次いでいる。警戒レベルを5に引き上げたことで、公共施設は原則休館、市町村主催行事も中止措置をとることになっており、各市町村はそれぞれが管理する施設の休館措置などを行った。

 同島ではこれまで、島内での感染状況によって警戒レベルの引き上げや引き下げを実施、4月7日に龍郷町で感染者が確認されたことを受け、同日にレベルを「3」から「4」に引き上げられていた。今回、奄美市で同島初となるクラスターが発生したことを受け、初めてレベル「5」となった。

 朝山市長は「全国的に感染拡大傾向にあり、奄美でも感染が続いている。大型連休を迎えるなか、これまで以上に感染対策を徹底し、島民の不安を払しょくできるよう官民一体となって取り組みたい」などと述べた。