パトロールをする関係機関職員たち(環境省提供)
QRコードから、国立公園区域の地図や規制対象となる一部の動植物の写真を閲覧できる
環境省奄美群島国立公園管理事務所・奄美大島自然保護協議会・名瀬森林事務所は連休の1~5日、合同で盗掘盗採防止パトロールを実施している。国立公園の適正利用や希少種保護の普及啓発、希少種の盗掘・盗採防止が目的。
奄美大島では、希少な昆虫・動植物を保護するため、法律・法令により指定希少野生動植物の捕獲、採取等を禁止している。しかし、守られていないのが現状だ。
コロナ禍ではあるが、来島者も多く、昨年同時期にカクチョウラン(鹿児島県希少種条例で指定)の盗掘があったことを踏まえ、昨年度に引き続いてこの時期に監視体制強化のためのパトロールを実施することとした。今年も既に同事務所に不審者(昆虫採取とみられるあやしい車両等)情報が来ているという。
パトロールは国立公園区域など同島5市町村の自然エリアにおける重要地点や、これまでに違法トラップ等の違法行為を発見した地域などで実施している。
各地域において、不審な車両や人物などがいないか、違法行為がないかを確認。観光客など利用者が多い場所では、公園の適正利用や希少種保護の普及啓発のためチラシを配布している。国立公園特別地域内での無許可の昆虫採取トラップ等があった際は位置情報等を記録し、関係機関に通報。緊急の場合も関係機関に早急に連絡をする体制となっている。
1日は宇検村と奄美市名瀬で実施。この日は、違法行為は見られなかったが、公園の利用者数名にチラシを配布し、希少種保護への協力を求めた。
同省離島希少種保全専門官の後藤雅文さんは「奄美の自然を楽しもうと思っている方には、自然体験をする上での(自然の保護と利用のバランスを保つための)ルールやマナーがあることを理解し、守っていただきたい。我々も監視体制強化を図るが、不審者情報などがあれば奄美野生生物保護センター(電話0997・55・8620)や各役場に連絡してほしい」と語った。