奄美ワクチンセンターで新型コロナのワクチン接種を受ける高齢者
奄美市と龍郷町が合同で実施する65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの集団接種が3日、同市名瀬長浜町の奄美ワクチンセンター(奄美文化センター)で始まった。初日は245人(奄美市195人、龍郷町48人、医療従事者2人)が接種、キャンセルやトラブルなどはなく、体調不良を訴える人もいなかった。接種は1人2回行う計画で、23日までに1回目を終え、24日~6月13日まで2回目を実施する。奄美群島最大規模となる集団接種で、同センターでは約3500人(奄美市2900人、龍郷町600人)の接種を予定している。
奄美市などによると、会場には午前8時過ぎから予約していた高齢者らが詰めかけた。当初午前9時に接種開始予定だったが、入り口周辺の密集を避けるため、15分早い午前8時45分から受付を開始した。
同センターでは30分ごとに20人の予約枠を設定したこともあり、午後4時半の接種終了まで混雑することなくスムーズに接種が行われた。
奄美市新型コロナワクチン推進室が事前に接種券や予診票などを忘れず持ってくるよう呼び掛けていたこともあり、ほとんどの高齢者が予定通りワクチンを接種することができた。同推進室の徳永明子室長は「初めての経験で不安もあったが、皆さんの協力もあり、想定以上にうまくいった。医師や看護師、事務担当職員もシミュレーションなどを重ねたことで、しっかり対応することができた」と胸をなでおろした。
ワクチンは1本で5人分となっていることから、廃棄による無駄をなくすため、高齢者のほか、医療従事者2人を追加した。
接種を終えた市名瀬春日町の川口城文さん(76)は、「待ち時間もなく、医師や看護師の対応も優しかった。2回目の接種も申し込み済み。不安はなかった」と話し、同市名瀬仲勝の白浜美恵子さん(77)も「スムーズで不安なく受けることができた。痛みも全くなかった。やはり接種すると安心」と安どの表情を浮かべた。
また、家族がネット予約をしたという同市名瀬の白倉正康さん(84)は、「娘が予約してくれた。ネットの予約画面はカレンダーが表示されているので分かりやすく、見やすかった」と話し、同市名瀬仲勝の喜村イシさん(79)は「予診票の記入と接種の予約は息子にしてもらった。ワクチンを受けるととても安心する」と話すなど、家族の手助けに感謝していた。
問診を行った住用診療所の野﨑義弘医師は「みなさんワクチンについてしっかり理解しているようだった。疾患などがあり接種が不安な人は、事前にかかりつけの医師に相談してほしい。これから気温も上がり、熱中症などの心配も出てくる。接種前は、睡眠をとるなど体調管理に気を付け、接種後も安心することなく、マスク着用や手指の消毒など感染対策を怠らないでほしい」と呼び掛けた。
同センターでの1回目の集団接種は16日までの予定で、17日から23日までは、太陽が丘総合体育館(笠利町)、りゅうがく館(龍郷町)、奄美体験交流館(住用町)で行われる。同センターと3施設を合わせた第一弾の接種人数は約5000人(奄美市約3700人、龍郷町約1300人)となっている。