県内、1週間で3倍超

警戒基準も急上昇 感染防止対策徹底呼び掛け
新型コロナ感染者

 県内の新型コロナウイルスの感染者が4月29日~3日までの5日間で200人を超えるなど、感染拡大が続いている。県によると4月19~25日の60人、26日~5月2日の201人と、直近1週間の比較でも新規感染者数は3倍超と急激に拡大。塩田康一知事は「第4波の波が県内にも来ている」との認識を示し、感染防止対策の徹底を訴えている。

 県内では4月29日以降の1週間余りで奄美市を含め4例のクラスターが発生。1日は、霧島市の事業所、鹿児島市と知名町の接待を伴う飲食店で3例のクラスターが続発するなど、感染者数の拡大が続いている。

 県の感染拡大警戒基準のモニタリングによると2日現在、人口10万人あたりの新規感染者数は12・55人で、1週間前の4月26日(4・18人)と比べて8・37人増と3倍に増えた。PCR検査の陽性率も同比5・3ポイント増の8・3%とあわせて急上昇。医療機関が確保している病床占有率は21・8%で、1週間で7・7ポイント増えて県警戒基準のステージ3の指標となる数値の20%を超えた。

 大型連休に入り県内感染が急激に拡大していることを受けて塩田知事は3日、県民への緊急メッセージを発表した。会見で塩田知事は「特に離島でのクラスター発生には危機感を持っている」と強調。若い人でも重症化する傾向のある変異株の感染者急増にも懸念を示した。

 塩田知事は、マスク着用や3密回避といった基本的な感染予防対策に加え、▽ゴールデンウイーク期間中の感染防止対策▽会食での感染防止対策▽症状がある人の診察・検査▽高齢者施設などでの一層の対策―の徹底を呼び掛けた。

 なお2日現在、人口10万人あたりの療養者数は4月26日比で7・6人増の13・6人。同感染経路不明者数は2・44人増の3・68人となっている。