タンカン精油開発

奄美産「タンカン」を使用した精油を開発した鴨川さん

6日に販売開始した「Tsumugu Sizuku Citrus Tankan」

 
奄美特産の「香り」小瓶に凝縮
アロマ専門店「香彩」

 奄美市名瀬のアロマ専門店「香彩(かあや)」の店主・鴨川弥矢さん(33)はこのほど、奄美の特産物「タンカン」を用いた精油を開発した。商品名は「Tsumugu Sizuku(つむぐしずく)Citrus Tankan」。「つむぐしずく」シリーズの第2弾としての販売となる。鴨川さんは「タンカンの温かみのある香りでリフレッシュしてもらえたら」と話している。

 第1弾は喜界島の名産「花良治みかん」を使用した精油。「奄美の植物を使った精油を見たことがない」。2019年にオープンした同店の、一人目の利用客の一言が開発のきっかけだったという。「つむぐしずく」には「奄美の植物の貴重な一滴で、大島紬のように長く愛され、受け継がれるものをつくりたい」という思いが込められている。

 タンカン精油は、島内の果樹園が規格外として市場に流通できないものを活用。タンカンの皮を鴨川さん自らが蒸留して製作した。ティッシュやお湯を張ったカップに1~2滴垂らしたり、無水エタノールと水でルームスプレーを作ったりして楽しむことができる。

 鴨川さんは普段、薬剤師として奄美市内の調剤薬局で勤める。その傍ら、日曜日のみ「香彩」を開店し、アロマオイルやアロマオイルにまつわる雑貨などを販売している。

 「規格外の奄美産果物を無駄にすることなく、経済発展につながれば。また、コロナ禍でふさぎがちな気持ちを、奄美の香りで上げる手助けに。おうち時間にも活用して」とやわらかな笑顔で呼び掛ける。

 容量は3㍉㍑で、60滴ほど。タンカン1個分の皮につき約1㍉㍑の精油を抽出できるという。6日から発売しており、値段は1800円(税込み)。商品についての問い合わせは「香彩」公式ライン(@582ioeds)またはインスタグラム(kaayaaroma)まで。