環境省、花徳小で出前授業

〝世界の宝もの〟たちへの関心、保護意識を高め合った児童たち=14日、徳之島町花徳小

世界70億人の宝物に
分かりやすく説き保護意識を共有

【徳之島】「世界自然遺産登録されると、徳之島は世界の70億人の宝ものに」。環境省・徳之島管理官事務所の出前授業が14日、徳之島町環境教育推進事業と絡め同町立花徳小学校(石川雅実校長、児童数40人)の3・4年生14人を対象にあった。アマミノクロウサギなど希少野生生物の映像や実物の剥(はく)製なども交え、生物多様性の価値観などを分かりやすく楽しく説いた。

同徳之島管理官事務所(天城町役場内)の出前授業は4月以降、今回の花徳小で6校目。徳之島町の今年度「徳之島環境教育推進事業」の第1弾ともリンク。同小3・4年生(複式)は総合的な学習の時間(2時間)を活用。同管理官事務所の中澤孝自然保護管補佐(41)が「世界遺産と徳之島」をテーマに授業した。

中澤さんは、空撮を含め自ら撮影した貴重な映像資料も駆使しながら、①世界自然遺産ってなに②徳之島のなにがすごい③これからなにができる―の3部構成で解説。クイズも交え和やかに進められた。

7月後半にも登録見通しの世界自然遺産登録については「徳之島は固有種が多く、このままでは世界から消えてしまう絶滅危惧種も」とも。クロウサギをはじめ哺乳類、鳥類、植物、昆虫など世界に誇る「生物多様性」の真価を説きながら、「徳之島は世界70億人の宝ものになります」と子どもたちの感性に訴えた。

タブレット端末を使った世界遺産の検索とグループ発表。さらには島内で交通事故死したクロウサギやケナガネズミ、トクノシマトゲネズミのはく製もサプライズ登場させ、事故防止やノネコ対策(ネコの適正飼養)の大切さも強調。自然保護・遺産登録とも関連するSDGs(持続可能な開発目標)も含め、「世界の宝ものになるほどのこの自然、そして地球をみんなで守っていこう」。さらに「自然保護の前にまず自然を好きになることが大事」とも強調した。

児童たちは目を輝かせて関心を示し、白浜多紋君(3年生)は「大切な自然を残して、生物たちが絶滅しないように生活をしていこうと思いました。生物多様性のことを大人にも教えてあげたい」と話していた。