永田墓地貸し出し再開

永代使用料による貸し出しが予定されている永田墓地の空き区画

 

 

奄美市 空き9区画の使用者募集
永代使用料、1坪50万円

 

 奄美市は、同市名瀬の市有墓地「永田墓地」のうち、空き区画となっている9区画について、今年度の貸し出しを決定、現在、使用者の募集を行っている。市が3月末に策定した「市有永田墓地利用計画」に沿った初めての貸し出しで、対象となるのは、市内に1年以上居住し、市有墓地に墓地や納骨堂がない人。使用許可後、2年以内に納骨施設(墓石)を設置することなどを条件に貸し出す。使用にあたっては永代使用料(1平方㍍当り15万1250円)を支払う必要がある。申し込み締め切りは6月25日。申込者が複数の場合は抽選会を行う。

 今回使用者を募集する9区画は、永田墓地の中でも、比較的市道に近く、利便性の高い場所に点在。永代使用料は、面積(3・13平方㍍~4・71平方㍍)に応じて47万3000円~71万2000に設定されている。

 墓地使用権は売買、譲渡することはできないが、使用者が亡くなった場合、使用者の変更手続きを行った上で、家族への継承は可能。一度納入された使用料は、墓地を返還しても返金されることはない。

 申し込み多数となった区画については、6月30日午前9時から、同市名瀬の奄美文化センター2階会議室で抽選会を行う。区画ごとに抽選し、本人や代理人が出席できない場合は事務局(市環境対策課)が行う。

 永田墓地には現在、市有地に約2200基の墓があるが、5年以上墓参りをした形跡がなく、縁故者が分からない「無縁墳墓」が約400基に上るほか、墓地を返還するケースも増えている。

 こうしたことから市は、長らく墓地の貸し出しを停止していたが、昨年9月に墓地利用の在り方などを協議する「永田墓地利用計画審議委員会」で、利用計画や管理方法などの審議を開始。今年3月、永代使用料の徴収など墓地の適正利用と将来的な環境整備方針などを盛り込んだ利用計画をまとめた。

 計画では、立地条件などから市有墓地を3区画に分け、既に空き区画となっている区画や、今後10年間で返還が予想される区画など計81区画について貸し出しを行うことにしている。このうち、測量などを終え貸し出しが可能となった9区画について、今回使用者を募集することになった。

 市は今後、10年計画で墓地利用の希望者を募集することにしており、市環境対策課は「先着順ではないので、焦らずに申し込んでほしい。来年度以降も継続して空き区画の貸し出しを予定しているので、貸し出される区画の場所などを確認、家族でしっかり相談してほしい」と呼び掛けている。

 市有墓地の使用申込および問い合わせは市環境対策課(電話0997―52―1120)へ