1カ月ぶり、31日再開

31日から営業を再開する奄美市名瀬の「奄美海洋展示館」

奄美市公共施設 休館措置が解除
準備や感染対策追われる

 新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、1日から休館・閉館措置を取っていた、奄美市内の主要公共施設が、31日から運営を再開する。2回の延期を経て、約1カ月ぶりの解除。各施設では、来場者を迎え入れるための準備や館内の感染防止対策に追われていた。

 市の要請を受けて1日から休館していた「奄美海洋展示館」では30日、利用者が密にならないよう対策を進めていた。期間中は、予約済みの島外客をキャンプ場で受け入れたが、ほかはすべて中止。ここ1週間は食事のテイクアウトも取り止め、密にならないよう、水槽を増設するなど感染防止対策に工夫を凝らしてきた。

 準備に追われる森田雅人施設長は「普段はなかなか手がつけられず、1カ月あったが足りない」と館内を奔走。31日からは入場者数や入館時間を制限するなどの対策を施し再開。映像ホールの利用を禁止したほか、人の手が多く触れる道具なども極力撤去した。

 6月は観光客を含め例年約3千人が訪れる季節で、雨の日などは来館者が多く、込み合うことも予想される。森田施設長は「予防対策のための制限。待ち時間も増えることもあると思うがご理解いただきたい」と話した。

 名瀬総合運動公園では、島外から訪れる予約済みの合宿を受け入れたのみで、スポーツ大会や施設の貸出はすべてキャンセル。同施設は一年を通しほとんどスケジュールが決まっており、延期となった大会などの新たな受け入れは難しい。期間中の中学総体などもすべて中止。担当者らも「改めて開催できればよいが」と気をもんでいる。

 施設は、トレーニングジムの利用者数や時間を制限し再開。スポーツ大会の実施に向けては、選手や関係者、応援する家族などすべてへの消毒や検温、名簿作成などを求めており、「健康が優れない時は利用を控えるなど、体調を管理した上で使ってほしい」と呼び掛けている。

 この他、住用町の「奄美市木工工芸センター」も31日から利用を開始。ここ最近はコロナ対策用のパーテーションを作ってほしいとの依頼も多く、休館中は制作に勤しんだ。

 プロも頼るほど、豊富な工具や機械がそろうのが同工房の特長。責任者の惠原佑光さんは「期間中も使わせてほしいとの要望も多かったが、すべて断った。(再開後は)感染対策を徹底しながら笑顔で迎えてあげたい」と話した。