宇検村小学校集合学習

ホロホロチョウの羽を紹介する新井さん

 

アフリカの子どもたちに向けて、3つの言語で感謝を伝えた宇検村の児童たち

「幸せとはなにか」考える
青年海外協力隊経験者の授業も

 宇検村内の全小学校が一堂に会する集合学習が16日、田検小学校(平山晋校長)であった。子どもたちは積極的に他校の児童とコミュニケーションを取り合い、新たな発見や視点を得ていた。同日は国際理解に関する授業として、田検小学校教員の新井博美さん(39)が、青年海外協力隊として南アフリカに派遣されていた経験から学んだ文化の違いなどを語った。

 集合学習には、同村田検、阿室、名柄、久志小学校の児童約90人が参加。図工や音楽、算数などを普段より多くの人数で学び合った。

 国際理解の授業は低・中・高学年別に実施。新井さんが2年間派遣された、南アフリカのナミビア共和国の暮らしぶりや文化を伝えた。まず、奄美大島に引けを取らない大自然の様子を、写真や動画で紹介。フラミンゴやオットセイ、ロバやホロホロチョウなど、珍しい動物に子どもたちは目を輝かせた。ほか、ナミビアには13以上の部族と多数の部族語があると説明。英語を共通語として、地域によってあいさつの言葉に大きな違いがあることを学んだ。

 新井さんが現地で働いていた学校では、貧しさから昼食を持参できなかったり、差別で十分に学習を受けることができなかったりする子どもたちがいたという。そのうえで、物資的な豊かさがなくてもいつも笑顔を絶やさない姿から、新井さんは「なにが本当の幸せなのか」考えさせられたと話した。

 現地の子どもたちから宇検村の児童らにビデオメッセージも届けられ、この日児童らも動画を撮影した。

 授業を受けた森更紗さん(田検小5年)は「アフリカの子どもたちが何もないところから遊びを作っている話を聞き、わたしも日本の文化を生かした遊びを作り出せたらいいと思った」と感想。中田空我さん(名柄小5年)は「現地の人たちは幸せをもっていそうに見えた。英語が得意ではないから海外には行けないと思っていたけれど、今日の授業で楽しく英語を学べることを知った。日本にはないものを実際に見てみたい」と語り、集合学習については「新しく会う子や、前から知っている子と仲を深められる。にぎやかな空間で楽しい。みんなの違う意見がいっぱい聞ける」と喜んだ。