「男性の早世予防」に重点

重点項目などを決めた名瀬保健所管内の「健康かごしま21地域推進協議会」

大島支庁で地域推進協 定期健診受診率向上へ
健康かごしま21

 名瀬保健所管内の2021年度「健康かごしま21地域推進協議会」(委員長・本一郎県大島支庁保健福祉環境部長、委員18人)が4日、奄美市名瀬の県大島支庁会議室であった。管内の重点テーマは前年に引き続き「男性の早世予防」を設定。働き盛り世代の健康意識の向上に注力し、定期健診受診率の向上、朝食摂取の習慣化などに取り組むことで一致した。

 健康かごしま21は13~22年度に取り組む県の健康増進計画。脳卒中予防、がん予防、ロコモ・フレイル予防など、県の目標5項目と合わせて関係機関一体となった健康づくりを進めている。

 この日は保健所管内の自治体や医療、福祉や教育、企業などからなる委員らが出席。管内の生活習慣実態調査について報告があり、推進に向けた意見を交わした。

 同協議会の調査によると、19年度管内65歳未満男性の死亡割合は15・1%。年々減少傾向にあるが、国や県を依然上回っており、数値はほぼ横ばいも脳血管疾患による死亡率が高く、同疾患に伴う要介護者が漸増傾向にあることが示された。

 協議では、特定健診の受診率向上などを議題に意見を交換した。受診率が伸びている瀬戸内町や龍郷町からは、手書きのメッセージを添えた受診券の配布、保健指導の場を増やした事例などが紹介。宇検村からは、機運向上に向けたダイエット企画「ヘルシーチャレンジ」なども報告された。

 この他、青壮年の約3割に上る朝食抜きへの対策、塩分の過剰摂取につながりがちな中食問題などについても協議。委員らからは「動画視聴やネット相談など、フォローの場を増やすべき」「販売店などとも連携が必要だ」などの提案が出た。

本委員長は「コロナ禍で食生活も様変わり。ある意味(推進は)チャンスでもある」と講評。名瀬保健所の相星壮吾所長は「(健康増進には)やらなければいけないとわかっていてもできないのが一つの問題点。一歩を踏み出すためのきっかけ作りが大事。我々自身も何か一つやることで、裾野を広げていこう」と呼び掛けた。